【日本】住友化学、愛媛工場での化学肥料生産を2024年9月に停止。事業ポートフォリオ転換

　住友化学は2月3日、肥料事業の再編の一環として、愛媛県新居浜市の愛媛工場にある化学肥料の製造設備を2024年9月末をめどに停止すると発表した。中長期にわたって安定的に収益を確保することは困難と判断した。

　同社は今回、「気候変動への対応に加えて生態系保全や人々の健康促進などを含めた広義のグリーントランスフォーメーション（GX）の視点に立ち、事業ポートフォリオの変革を推進しています」「肥料事業においては、事業の継続に向けた構造転換を目指し、品目展開の見直しに着手しました」と説明。すでにEUや日本では、化学肥料は気候変動と生態系の双方の面から使用を削減していく政策が打ち出されており、同社もその方向に事業ポートフォリオを転換していくという考えを示唆した。

　また個別事情としては、「化成肥料については、成熟化した国内市場環境や昨今の原料価格高騰など厳しい事業環境に対して、これまでコストの合理化などに努めてきましたが、製造設備が高経年化し、更新費用が増加」していることも理由としてあげた。

　同社は、分解性被覆肥料技術やバイオスティミュラント等の機能性液体肥料等の開発や販売は続けていくことも伝えた。

【参照ページ】肥料事業の再編について

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所