ベルギー化学大手ソルベイは2月1日、自然環境中に存在するパーフルオロアルキル酸及びポリフルオロアルキル酸(PFAS)を生分解や化学的に破壊する新技術の研究を加速するため、同技術への投資額を4倍に引上げたと発表した。
【参考】【EU】欧州化学機関、REACH規則に基づくPFAS一斉規制の検討開始。画期的アプローチ(2023年2月8日)
パーフルオロアルキル酸及びポリフルオロアルキル酸(PFAS)は、フッ素系界面活性剤としてフッ素樹脂の製造に不可欠な存在として活用されてきた一方、その生体蓄積性と人体毒性への懸念から、近年では有害化学物質として欧州や米国で規制当局の監視下に置かれてる。
同社は、持続可能な化学産業の構築をコミットメントとして掲げており、生分解技術開発の最前線にいる米プリンストン大学、セルビア・ベオグラード大学、スタートアップ企業等と協働。ソルベイ自身もPFASの無機化に関する独自の研究に投資し、生分解や化学的破壊を通じたフッ素系界面活性剤の破壊を進めている。
同社はすでに、PFASの一種フッ素系界面活性剤を使用しないフッ素樹脂開発にも成功済み。2021年には、すでに米国でのフッ素系界面活性剤の使用を廃止している。
さらに同社は、2026年までにフッ素系界面活性剤を使用しないフッ素樹脂の製造拠点を、イタリア・スピネッタ・マレンゴの拠点に集約し、同工場での生産割合ほぼ100%にまで高める予定。その間も、次世代型フッ素系界面活性剤「C6O4」を活用し現状からの使用削減も同時に進める。最終的に、新たなフッ素界面活性剤不使用技術(NFS)への移行を進める。
【参照ページ】Teaming up to get rid of PFAS in the environment
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