製鉄世界大手ルクセンブルクのアルセロール・ミタルは1月27日、同社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)「XCarb」を通じ、米製鉄技術スタートアップのボストン・メタルのシリーズCの出資ラウンドで3,600万ユーロ(約50億円)を出資したと発表した。XCarbでの初期投資では、最大規模。
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XCarbは、アルセロール・ミタルが2021年3月に設立したファンド。再生可能エネルギー、バッテリー蓄電、炭素回収・利用(CCU)、水素製造、原子力等の分野に投資している。米カーボンリサイクルLanzaTechも出資先。
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今回の出資先のボストン・メタルは、2013年設立のスタートアップ企業。特許取得済みの溶融酸化物電気分解(MOE)という新たな製鉄手法による商業生産を、2026年までに実現することを目指している。同技術では、酸化鉄に電子をぶつけることで、酸素イオンを引き剥がし、鉄分子を抽出。酸素イオンと電子が反応し、酸素が得られる。さらに、現在の高炉よりも大幅なコスト削減も実現できる見込み。
今回の出資ラウンドには、マイクロソフトのクライメート・イノベーション・ファンド、サイトグランド・キャピタルの他、既にシリーズB出資しているBreakthrough Energy Ventures、BHPのBHPベンチャーズ、ヴァーレ、BMW iベンチャーズ等も参加している。
【参照ページ】ArcelorMittal invests $36 million in steel decarbonisation disruptor Boston Metal
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