鉄鋼サステナビリティ国際団体ResponsibleSteelは1月12日、欧米金融大手6社が発足した「Sustainable STEEL Principles Association(SSPA)」と協働する覚書を締結したと発表した。
SSPAは、シティグループ、クレディ・アグリコル、ING、ソシエテ・ジェネラル、スタンダードチャータード、ウニクレディトの6社が2022年9月に発足。ロッキーマウンテン研究所が事務局を務めている。鉄鋼業界のパリ協定と整合する気候変動緩和を進める原則として「サステナブルSTEEL原則」(SSP)を発表している。
SSPは、標準化された測定手法(S)、透明性の在る進捗状況の毎年開示(T)、高品質のデータを取得するための実践(E)、融資先製鉄企業へのエンゲージメント(E)、金融業界でのリーダーシップ(L)の5つで構成され、頭文字をとって「STEEL」となっている。策定では、INGが主宰、ソシエテ・ジェネラルが共同主宰となり、シティグループ、スタンダードチャータード、ユニクレジットも参画した。
SSPの署名機関は、民間セクターの製鉄業向け融資全体の11%以上の市場シェアを占める。同原則は、海運業界向けの金融機関コミットメント「ポセイドン原則」をモデルとし、製鉄向けに組成したもの。ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)のNZBA鉄鋼セクターワーキンググループも、NZBAの鉄鋼業向け指針として、SSPの導入を検討していくという。
ResponsibleSteelとの覚書では、ResponsibleSteelが製鉄所が認証を受けるための国際的な基準を提供。SSPが、銀行が自社のポートフォリオ内の鉄鋼会社のカーボンニュートラル化や、鉄鋼融資ポートフォリオの気候変動整合性を評価するための枠組みを提供する。
さらにRensponsibleSteelは、別途、鉄鋼業界、金融世界大手、機関投資家、NGOを結集した金融ワーキンググループ(FWG)も創設済み。同ワーキンググループは、対話組織としての役割を担っている。1月に最初の議論を開始し、2023年12月までに勧告内容をまとめる。
ResponsibleSteelの規格は、1月16日には、国際的なサステナビリティ認証・ラベルの品質管理を行っているISEALのコミュニティメンバーとしても承認。高品質の規格と認められた。
【参照ページ】ResponsibleSteel and global banks agree MoU for the rapid decarbonization of steel
【参照ページ】ResponsibleSteel joins ISEAL as a Community Member
【参照ページ】Global banks representing $23 billion in steel loans sign onto Sustainable STEEL Principles
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