持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は1月12日、インドの電力事業者向けに、蓄電システム導入ガイドを発表した。
インドは、2021年の第26回気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)において、2070年までにカーボンニュートラル達成、2030年までに電力の50%を再生可能エネルギーとする目標を宣言している。今回のガイドは、インドの電力事業者向けに蓄電システム導入に関する戦略とアクションを強化するよう提案したもの。
同国の電力需要は世界第3位の1,375TWh。国際エネルギー機関(IEA)の報告では2040年までに年率4.7%で増加し、世界で最も需要が増加する見込み。同時に、同国の二酸化炭素排出量は2019年時点で電力部門が排出量全体の50%を占め化石燃料への依存の高さが課題。再生可能エネルギーの普及に伴い余剰電力を蓄える蓄電システムが重要となるため、蓄電システムの普及を加速させるための提言をまとめた。
同ガイドでは、蓄電システムの低コスト化、火力発電のコスト増等を踏まえて蓄電システムの普及しやすい州を分析。政府が停電に関するペナルティを検討していること、企業は再生可能エネルギーでの電力利用率を高めていくことから、蓄電システムの導入が拡大していくとした。
また、産業向けの電力供給において日に平均45分程度の停電が発生しており、電力需要のピークに対応する必要がある。新たに火力発電所を契約した場合と蓄電システムを導入した場合のコストを比較し、蓄電システムを導入した場合、運用コストが半分以下となることを示した。
電力事業者向けのアクションとして、電力需要のピークの対策として火力発電所の契約ではなく蓄電システムの導入可能性を正しく評価すること、最も費用対効果の高い方法で再生可能エネルギーでの電力調達目標を達成を目指すこと、停電ペナルティの回避を含め再生可能エネルギーでの電力調達契約の標準化の実施を促した。
【参照ページ】Business guide to energy storage adoption in India
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