米燃料電池自動車(FCV)ニコラは1月25日、水素生産・流通関連製品を包括する新たなブランド「HYLA」を発足したと発表した。燃料電池(FCV)トラックだけでなく、水素事業にも事業拡大してきた。
同社はすでに2022年12月、米アリゾナ州バックアイ市にある水素製造ハブ「フェニックス・ハイドロジェン・ハブ(PHH)」の建設に着手。生産能力は日量30tで、将来的には日量150tまで拡張できるよう計画されている。第1期の建設は、最終的な投資決定と規制当局の承認が順調に得られれば、2024年後半に完了する予定。
【参考】【アメリカ】プラグ・パワーとニコラ、水素で提携。グリーン水素生産拡大とFCVトレーラー購入(2022年12月19日)
また同社は同時に、プラグ・パワーの全米複数箇所のプラントから日量125tのグリーン水素オフテイク契約も締結した。他にも、2021年6月には、米インディアナ州テレホート市で石油コークスやバイオマスから水素を生産する事業にワバッシュ・バレー・リソースと共同出資。2022年10月にはペンシルバニア州クリントン市では、キーステート・ナチュラルガス・リソーシズから日量100tのブルー水素調達契約を締結。2022年4月には、TCエナジーがカナダのアルバート州クロスフィールド市で計画している天然ガスからのブルー水素を調達する構想も発表している。
今回発表したHYLAブランドは、これらの生産・調達能力を統合したブランド名となり、合計日量300tの生産・調達力を持つ。加えて、2026年までにHYLAブランドの水素補給ステーションを、カリフォルニア州コルトン、オンタリオ、ロングビーチ港を皮切りに、全体で60基設置し、販売していく。
また同社は1月24日、豪再生可能エネルギー投資フォーテスキュー・フューチャー・インダストリーズ(FFI)との間で、米国での大規模グリーン水素製造施設の共同開発に関する覚書(MOU)も締結。ニコラが、FFIが推進する他のグリーン水素プロジェクトからのグリーン水素のオフテイク機会や、新たなグリーン水素製造関連インフラプロジェクトの共同開発可能性に関する評価を行う。
同社は、既存事業のFCVトラックでは「ニコラ・トレFCEV」を上市している。市販のゼロテールパイプ・エミッション・クラス8トラクターの中で航続距離が最長の最大800kmを誇る。さらに、1月18日には、ニコラ・トレFCEV向けの水素補給機「HYLAフレキシブル・モバイル・フューラー」も開発と表明。水素補給時間は20分程度。ニコラ・トレFCEVは、サードパーティ製の補給機からにも適用しているため、顧客は柔軟なオプションがあると強調した。
【参照ページ】Nikola Highlights its Integrated Hydrogen Solution and Introduces New Hydrogen Energy Brand “HYLA”
【参照ページ】Fortescue Future Industries (FFI) and Nikola to Collaborate and Invest in the Co-Development of Large-Scale U.S. Green Hydrogen Production Projects
【参照ページ】Nikola Launches First Hydrogen Fuel Cell Truck Mobile Fueler
【画像】Nikola
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら