【国際】ネスレ、物流でのCO2削減に147億円投資。ペリエ、サンペレグリノ、アクアパンナ対象

　食品世界大手スイスのネスレは12月15日、世界展開ブランド「ペリエ」「サンペレグリノ」「アクアパンナ」の物流での二酸化炭素排出量削減に向け、2030年までに1億スイスフラン（約147億円）以上の投資を行うと発表した。

　同社は、2030年までに二酸化炭素排出量を50%削減し、2050年までにバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル（二酸化炭素ネット排出量ゼロ）達成を目標としており、今回のアクションもその一環。

　同社が実施した製品ライフサイクルアセスメント（LCA）によると、対象3ブランドの二酸化炭素排出量の大部分は物流と包装が占めている。そこで同社は、物流ルート最適化、鉄道輸送への転換加速、代替燃料と輸送手段の利用拡大、革新的な代替輸送手段の実証等に注力する。同LCAは、スイス環境コンサルティングQuantisがピアレビューを実施した。

　具体的なアクションでは、まず、物流ルート最適化と鉄道輸送への転換では、物流パートナー企業や顧客企業と協働し、積載量とルート最適化を実施。トラックの走行回数を削減する。特に同社最大の排出源となっている欧州では、鉄道輸送を拡大予定。2021年にはすでに、欧州の物流の30%が鉄道に転換している。フランスでは、2025年までに水素を動力源とする鉄道路線の展開に向け、パートナー企業との協働も進めている。

　代替燃料と輸送手段の利用拡大では、物流パートナー企業や燃料サプライヤーと協働し、北米向けの貨物物流でのバイオ液化天然ガス（LNG）を活用。イタリアとドイツでは、同社パートナー企業でのバイオ液化天然ガス（LNG）の導入も開始している。また同社は、2020年発足の欧州クリーントラック連盟にも創設メンバーとして加盟。ドイツ、イタリア、スイスでは、大型トラック（HGV）の電気自動車（EV）化の実証も行っている。

　革新的な代替輸送手段の実証では、欧州から米国への輸送での風力発電貨物船の利用促進イニシアチブ「Shipper's Coalition」に参画。従来の貨物船比で二酸化炭素排出量を約50%削減できる見込み。

【参照ページ】Nestlé invests in logistics innovations to reduce greenhouse gas emissions for its international water brands
【画像】Nestlé

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所