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【国際】欧州委員、ツイッターのジャーナリストアカウント停止で制裁適用可能性を示唆

 欧州委員会のヴィエラ・ジュロヴァ価値観・透明性担当欧州委員は12月16日、イーロン・マスク・ツイッターCEOがジャーナリストのツイッターアカウントを停止したことに関し、恣意的なアカウント停止は憂慮すべきとツイートした。その上で、2024年に適用開始のEUデジタルサービス法(DSA)と、欧州委員会が9月に提示したメディアの自由法案の観点から、違法であり、制裁の可能性を示唆した。

 ツイッターは12月15日、米紙ニューヨーク・タイムズのライアン・マック記者の他、ワシントン・ポスト、米CNN、米Voice of America、米サイト「マシャブル」の記者や独立系ジャーナリストのアカウントを停止。また、独SNSマストドンの公式アカウントも停止した。

 マスクCEOは同日、自身のツイッターで、インターネット上に他人の写真や住所等の個人情報を無断で公開する行為(ドクシング)が理由と説明。ドクシング(Doxxing)を行うアカウントは、身体の安全性を損なうため停止されると伝えた。リアルタイムの位置情報に関するリンクを投稿する行為も停止対象となるとした。但し、移動したあとに遅れて投稿することは、安全上の問題はなく、停止対象とはならないとした。

 今回の欧州委員のツイートは、ジャーナリズムを含む報道の自由を保護するため、SNS企業には特別な説明責任があることを強調した形。実際にツイッターが制裁対象となるかは不透明。DSAは、違法事業者に対し、最大でグローバルでの年間売上の6%の罰金を課すことができる。

 マスク氏は、12月15日、ドクシング行為を行ったとするライアン・マック記者のアカウント停止を解除するか否かの是非を問うアンケートをツイッターで開始。「即時解除」を求める声が最多だったが、マスク氏は12月16日、選択肢を「即時解除」か「1週間後」の2択に絞り再度アンケートを実施。結果、再び「即時解除」が多数を占めた。マスク氏は、ツイッターを民主主義の権化的な地位に仕立てようとしているとみられるが、今回の民意を受け、どのように反応するかに注目が集まる。

【参考】【国際】マスク氏、ツイッターを世界の民意把握ツールに仕上げる計画か。民主主義の権化的パワー(2022年11月8日)

 国連のステファン・デュジャリック報道官も12月16日、世界中のジャーナリストが、検閲や身体的脅迫、さらにはもっと悪い事態に直面している中で、(ツイッターの停止行為は)危険な前例となるものであり、我々は当局と連絡を取り続けているとコメントした。

[2022.12.19追記]
 マスクCEOは12月17日、実施したアンケートの結果、回答者の59%がアカウント停止の即時解除に投票したとして、凍結解除を実施。但し、マスク氏が規約違反と主張する投稿を対象の記者が削除するまで新規投稿は制限すると条件を付けた。一方、アカウント停止処分を受けていたCNNのドニー・オサリバン記者やワシントン・ポストのドルー・ハーウェル記者は、投稿削除には同意せず、ツイッターの判断に異議を申し立てる意向を示した。

 またマスクCEOは12月19日、「私はツイッターのトップを辞するべきか?この投票結果に従う」とのアンケートを開始。現在、「持するべき」がリードしている。

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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