飲料世界大手英ディアジオと英ガラス瓶製造大手Encircは12月13日、世界初のカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)型のガラス瓶量産に向け、パートナーシップを締結したと発表した。
Encircは、英チェシャー州エルトンに超低炭素ハイブリッドガラス炉を建設し、2027年から稼働開始予定。2030年までに年間最大2億本生産し、同社アルコール飲料ブランド「スミノフ」「キャプテン・モルガン」「タンカレー」での採用を目指す。
今回建設する工場では、再生可能エネルギー電力と水素を活用することで、従来比で二酸化炭素排出量を90%削減。2030年までには、炭素回収・貯蔵(CCS)技術で残余排出量を回収する。
ガラス瓶のカーボンニュートラル化は、英政府の2050年カーボンニュートラル達成に向けても重要な位置づけ。英大手企業が協働し、グリーンエネルギーを活用した大規模生産を進めている。使用する水素は、英国リバプール地方一帯のランカシャー工業地帯でCCUSによるブルー水素製造を行うプロジェクト「HyNet North West」に参画するVertex Hydrogenが供給する。
ディアジオとEncircは2021年4月、持続可能なガラス製造に関する英国の産学連携イニシアチブ「Glass Futures」と協働し、廃棄由来のバイオ燃料を活用した瓶製造を実証済み。再生ガラス100%の瓶を生産し、二酸化炭素排出量を最大90%削減している。
【参考】【イギリス】ディアジオ、主力ウイスキーの瓶を再生ガラスとバイオ燃料で生産。CO2を90%減(2021年4月15日)
ガラス瓶生産での水素活用は、ペルノ・リカールも11月3日に発表済み。燃料転換は、スコープ3を含むカーボンニュートラル達成に不可欠な要素として見られている。
【参考】【ヨーロッパ】ペルノ・リカール、蒸留酒ブランドの瓶生産で一部グリーン水素へ燃料転換(2022年11月17日)
【参照ページ】Encirc and Diageo announce hydrogen powered furnace to change the face of UK glass manufacturing industry
【画像】Diageo
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