食品世界大手米ペプシコは12月5日、飲料販売での使い捨てボトル形態でない提供割合に関する2030年目標を、従来の10%から20%に引き上げると発表した。使い捨てボトルの素材転換だけでなく、使い捨てボトルを必要としない事業を大きく拡大しにいく。
今回の目標は、同社サステナビリティ戦略「pep+(pep Positive)」の分野別2030年指標の一つ。再利用は、2030年までに1食あたりのバージンプラスチックを50%削減し、2040年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成に向けたアクションの一環。
【参考】【国際】ペプシコ、pep+戦略発表。リジェネラティブ農業、水資源、DE&I、栄養改善等で強いコミット(2021年9月17日)
同社は、今回掲げた目標を達成するため、充填型飲料提供事業「SodaStream」の拡大、詰替え用ペットボトルとガラス瓶のでの商品販売の拡充、再利用可能な容器でのファウンテン・ディスペンサー事業の拡大、粉末と濃縮液製品の成長加速の4分野に注力。サーキュラーエコノミー推進の英エレン・マッカーサー財団の「Reuse - Rethinking Packaging」フレームワークに即し、アクションを進める。
SodaStream事業では、家庭向けの「SodaStream」に加え、2020年に開始したオフィス向け「SodaStream Professional」の普及を目指す。これにより再利用可能な容器でペプシコの飲料を提供し、2030年までにペットボトル2,000億本以上を削減できる見込み。ペプシコは2018年、イスラエルのSodaStreamを32億米ドル(約4,375億円)で買収しており、同事業への注力を今回あらためて明言した。
詰替え用ペットボトルとガラス瓶では、再補充での商品提供事業「Petty」を軸に、メキシコ、グアテマラ、コロンビア、チリ、ドイツ、フィリピン等で、詰替え・返却可能な容器プログラムをすでに展開済み。今後さらに広げていく。
ファウンテン・ディスペンサー事業では、日本でもファミリーレストラン等にある飲料マシンでの商品提供。カップを再利用して提供できるため、容器廃棄物が極めて少ない。
粉末と濃縮液製品では、同社飲料ブランド「ゲータレード」「プロペル」「マッスルミルク」「エボルブ」等を展開。消費者自身の容器での消費を促進する。
上記に加え、同社は今後、再利用・再充填モデルを促進する新たなインフラも開発予定。1月には、同社傘下のペプシコ・ビバレッジズ・ノース・アメリカ(PBNA)が、米インパクト投資ファンド運用Closed Loop Partners(CLP)とともに米国内のコミュニティで、小型モジュール型リサイクルシステム構築を進める投資ファンド「Closed Loop Local Recycling Fund」を設立済み。再利用可能な容器を活用した新たなモデルの拡大を進めている。
【参考】【アメリカ】ペプシコ、Closed Loop Partnersとリサイクル促進ファンドを共同設立。40億円出資(2022年1月21日)
【参照ページ】PEPSICO INTRODUCES NEW PACKAGING GOAL, DOUBLING DOWN ON SCALING REUSABLE PACKAGING OPTIONS
【画像】PepsiCo
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