欧州委員会は12月6日、EU下院の役割を果たす欧州議会とEU上院の役割を果たすEU理事会が、環境・人権デューデリジェンスに関するEU法「サプライチェーンの森林破壊・森林劣化フリー規則」の制定で政治的合意に達した。今後、欧州議会及びEU理事会での立法プロセスに入る。
【参考】【EU】欧州委員会、環境・人権デューデリジェンス指令案発表。非EU大企業も対象。立法審議へ(2022年2月25日)
同規則の対象品目は、パーム油、牛、大豆、コーヒー、ココア、木材、ゴム及び各関連製品をEU域内で販売あるいはEUから輸出する場合、森林破壊・森林劣化及び人権観点でのデューデリジェンスが義務付けられる。人権観点では、先住民の権利も対象となる。対象品目は、新たな科学的知見に基づき、定期的に見直す。農地拡大による森林破壊の主な原因となっている産品を対象とした形。具体的には、事業者や取引業者は、2020年12月31日以降に森林破壊の対象とならなかった土地で生産されたことと、人権観点を含めた生産国での関連法を遵守していることの証明が義務化される。
証明の水準は、リスクアプローチを採用。具体的には、森林破壊及び森林劣化のリスクレベルを欧州委員会が3段階で評価し、証明の水準を定める。
企業は同規則の遵守を証明するには、調達商品の生産農地に関する正確な地理的情報の収集が必要となる。規則規定の違反には、罰則も設けられる。同規則に人権観点も含めることは、欧州議会が主張し、盛り込まれた。
同規則は、欧州議会とEU理事会で採択され、官報に掲載された後、18ヶ月後に適用開始。中小企業にはさらに長い猶予期間や例外規定も設ける考え。
【参照ページ】Green Deal: EU agrees law to fight global deforestation and forest degradation driven by EU production and consumption
【参照ページ】Deal on new law to ensure products causing deforestation are not sold in the EU
【参照ページ】European Green Deal: Commission adopts new proposals to stop deforestation, innovate sustainable waste management and make soils healthy for people, nature and climate
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