バイオマスレジンホールディングスは12月2日、非食用米等を原料としたバイオマスプラスチック「ライスレジン」の生産を拡大するため、全国の遊休地・休耕田での米の作付を全国的に展開すると発表した。農地でのメタン抑制や農地での炭素貯留等も進めるという。
バイオマスレジンホールディングスは、前身のバイオマスレジン南魚沼が2017年に、バイオマスレジンホールディングスが2020年に創設。主に、食用に適さない古米や、米菓メーカー等で発生する破砕米等、飼料としても処理されず、廃棄されてしまうお米を活用し、バイオマスプラスチックへとアップサイクルしている。
一方、日本では米生産そのものが社会課題となっており、2022年の主食用米等生産量は675万tとピーク時の半分以下にまで減少。それによる耕作放棄の拡大は、食料自給率低下の他にも、水源の涵養や土砂流出の防止等、里地里山の国土保全機能の低下に加え、防災上も課題となっている。
同社は、2019年から3年間、新潟県の南魚沼市、三条市、浪江町、飯館村で耕作放棄地等を活用した米の作付も開始。現在では、4新潟県で2ヶ所、福島県で2ヶ所、合計約30haにまで拡大している。それを今回一気に全国で展開する。
米生産では、ITやIoTを活用しドローン直播や水源管理等によるスマート農業の導入に加え、浪江町の圃場では、収量が通常の1.5倍を誇る超多収品種の栽培や、再生二期作栽培も開始したという。超多収品種栽培では、東京農工大学大川教授、再生二期作栽培では、農研機構九州沖縄農業研究センターと連携している。
全国展開に向けては、北海道上川郡のJAひがしかわ、滋賀県長浜市のライスイズコメディ、兵庫県淡路市のNPO法人MUKU、熊本県八代市のモスファーム熊本等と、全国20か所程度で検討を開始。3年以内に300haを目指す。
同社は、「ライスレジン」の他、同じく米を原料とした生分解性バイオプラスチック「ネオリザ」も提供。12月1日には、三洋化成工業が、ネオリザを活用した肥料被覆材(マルチ)を開発したと発表したばかりだった。
【参照ページ】高付加価値な新しい農業モデル構築に向けバイオマスプラスチック用途の米作りを全国へ展開
【参照ページ】非食用米を用いた生分解性樹脂「ネオリザ®」を用いた肥料被覆材を開発-環境負荷低減につながる被覆材で持続可能な農業の実現に貢献-
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