2050年までの投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする銀行のイニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」は11月9日、初の年次進捗報告書を発行。加盟銀行の半数以上が、融資ポートフォリオでのカーボンフットプリントの中間目標を設定したことがわかった。
NZBAの加盟機関は、投融資双方のポートフォリオでのカーボンフットプリントを2050年までに実現することにコミット。さらに加盟から18ヶ月以内に、2030年までの目標と2050年目標及び、2030年から2050年までの5年毎の中間目標を設定しなければならない。2030年目標には、二酸化炭素排出量の多いセクター等、銀行が最もインパクトを起こすべき対象を含めることも規定され、加盟から36ヶ月以内にセクター目標を定めることも規定されている。そのうえで、毎年、総量と原単位での排出量を公表。執行陣の戦略に対する取締役会レベルのレビュー結果の公表も義務付けられている。
今回の進捗報告書によると、融資ポートフォリオのカーボンフットプリントを算出済みのところが95%。加盟後1年半を迎える10月21日までに目標公表することが求められていた43社のうち90%が実際に目標を公表。また19社は、加盟後1年半の期限を前倒しして目標を設定していた。これにより加盟銀行のうち中間目標を設定した銀行が半数を超えた。日本の加盟銀行では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス(SMTH)、野村ホールディングスの4社が期限を前倒しで発表した。
公表した62社のうち、2030年までのセクター別目標を設定した銀行が94%に達した。発電分野で設定したところが多い。また、2050年までのカーボンニュートラル目標の達成の宣言は66%、2030年までのポートフォリオ全体での削減目標設定も32%あった。
NZBAの加盟銀行数は、すでに41ヶ国122社にまで到達。世界の銀行資産全体の40%を占める。同レポートは、加盟銀行に対し、政府や規制当局等のステークホルダーにさらなるカーボンニュートラル化を加速させるエンゲージメントの実施を呼びかけた。
【参照ページ】Net-Zero Banking Alliance first progress report: significant achievement with over 50% setting intermediate decarbonisation targets
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