飲料世界大手仏ペルノ・リカールの蒸留酒ブランド「アブソルート・ウォッカ」は11月3日、使用する瓶の量産工場で、一部グリーン水素を活用することをサプライヤーと契約したと発表した。瓶生産でのグリーン水素活用は世界的な蒸留酒ブランドとして初。
同ブランドは、2030年までにスコープ3まで含めたカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成を目標としており、瓶生産での燃料転換が不可欠だった。
アブソルート・ウォッカは今回、ルクセンブルク容器製造アルダ・グループ傘下のアルダ・ガラス・パッケージングと協働。ガラス生産工程で、2023年後半からグリーン水素を20%活用する。水素製造では、アルダ・ガラス・パッケージングの工場内で再生可能エネルギー電力を活用。これにより瓶生産の二酸化炭素排出量を20%削減できる。またアルダ・ガラス・パッケージングは、持続可能なガラス製造に関する英国の産学連携イニシアチブ「Glass Futures」への加盟も発表した。
ペルノ・リカールは2020年、傘下のアイリッシュ・ディスティラーズ、Glass Futures、英ガラス瓶製造大手Encircの3者の協働で、廃棄由来のバイオ燃料を活用した瓶製造の実証に参加済み。二酸化炭素排出量を最大90%削減も達成している。同様のアクションは、カールスバーグ、ハイネケン、モルソン・クアーズ、ディアジオ等にも広がっている。
【参考】【イギリス】ディアジオ、主力ウイスキーの瓶を再生ガラスとバイオ燃料で生産。CO2を90%減(2021年4月15日)
【参考】【イギリス】ハイネケンやモルソン・クアーズ、ガラス瓶のサーキュラー化進む。カールスバーグに続く(2021年3月18日)
【参考】【イギリス】カールスバーグ、再生ガラス素材とバイオマス燃料でのガラス瓶製造で実証。CO2を90%減(2021年2月18日)
アブソルート・ウォッカは、スコープ3の削減では、原料となる小麦生産での排出量削減にも着手している。具体的には、小麦農家に対して、二酸化炭素排出量を大幅に削減した気候レジリエントな肥料使用等のBAT(Best Available Technology)を求めてる。すでに2018年時点で全小麦の約80%がBATを実現。2025年までに100%にする。2030年までに全小麦で何らかのサステナビリティ認証を取得することも目標としている。
【参照ページ】Absolut Vodka and Ardagh Group co-invest in hydrogen-fired glass furnace in a global spirits industry first
【画像】Pernod Ricard
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら