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【国際】国連専門家グループ、カーボンニュートラル宣言要件を提言。グリーンウォッシュ防止

 国連の「非国家主体ネットゼロ・エミッション・コミットメント専門家グループ」は11月8日、国連気候変動枠組条約第27回シャルム・エル・シェイク締約国会議(COP27)の中で、提言報告書を発表した。企業や自治体等がカーボンニュートラル宣言をする際の信頼性と透明性を担保する基準を示した。グリーンウォッシュを防ぐ。

【参考】【国際】グテーレス国連事務総長、非国家主体の気候変動専門家グループ発足。日本からも1人(2022年4月4日)
【参考】【国際】国連、非国家主体のカーボンニュートラル提出制度でパブコメ募集。1.5℃整合性や短期目標設定も(2022年7月2日)

 今回の提言では、まず、グリーンウォッシュ防止基準の観点として、「インテグリティ」「信頼性」「説明責任」「政府の役割」の4つを掲げた。その上で10の基準を示した。主な内容は、

  • カーボンニュートラル宣言は、各主体のトップが公に宣言し、実際の行動に対する責任を反映したものでなければならない
  • スコープ3を含む排出削減目標を2025年以降5年毎に設定し、目標達成に向けて、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)やIEA(国際エネルギー機関)が示す1.5℃整合経路(パスウェイ)に沿った形で移行計画を策定しなければならない
  • 発展途上国に十分な資金が回らなければカーボンニュートラルは実現しない。各主体の計画にこの点が反映される必要がある
  • カーボンクレジットによるオフセットは、バリューチェーン外の排出削減、特に発展途上国の排出削減に活用されるべきであり、各主体の中間削減目標に含めることはできない
  • IPCCやIEAが示す1.5℃整合経路(パスウェイ)に沿った形で化石燃料の使用・支援を停止しなければならない
  • 各主体は毎年の進捗を公にしなければならない。独立した第三者が検証すべきである
  • いかなるロビー活動も、気候変動対策に反対するものではなく、積極的に推進するものでなければならない。各主体は業界団体等への加盟状況を公表し、トランジション計画には排出削減目標達成に必要な政策を明記すべきである
  • 規制当局は、二酸化炭素排出量の多い企業や金融機関を対象にしたカーボンニュートラル宣言に関する規制・基準導入を目指すべきである。この検討を進めるべく、各国の専門家からなるタスクフォースを結成すべきである

 国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、同提言を歓迎。同専門家グループの発足は、NGOからの提言で実施したとの背景を明らかにした。1.5℃整合経路に基づくと、世界の排出量は2030年までに45%以上削減し、2050年までにカーボンニュートラルに到達しなければならないと言及した。また、カーボンニュートラル設定のガイドラインを策定している機関に対し、すぐに同提言に基づく内容に修正するよう促した。

 国連気候変動枠組条約は、非国家主体も削減目標を公式登録できるウェブサイト「グローバル・クライメート・アクション・ポータル」を開設済み。すでに企業約14,000社、金融機関約1,600社、自治体12,000団体が登録している。

【参照ページ】High-Level Expert Group on the Net-Zero Emissions Commitments of Non-State Entities
【参照ページ】Global Climate Action Portal

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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