ビジネスの国連持続可能な開発目標(SDGs)推進国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)は10月20日、2021年にG7議長国英国が発足した「G7サステナブル・サプライチェーン・イニシアチブ(SSCI)」に署名した食品関連大手22社に関するサステナビリティ評価を行った報告書を発表した。
署名企業22社は、Associated British Foods、BASF、バイエル、Boparan、コンパス・グループ、ダノン、ディアジオ、ED&F Man、イングレディオン、InVivo、クラフト・ハインツ、マケイン・フーズ、マケイン・フーズ、WMモリソン・スーパーマーケット、PHWグループ、セインズベリー、ソデスコ、Tate & Lyle、ユニリーバ。日本からは明治、日本ハム、セブン&アイ・ホールディングスの3社。
今回の発表は、SSCIの署名企業22社に対し、栄養、環境、社会インクルージョン、ガバナンス・戦略の4つの観点で評価したもの。評価観点は、農業・食料サプライチェーン世界大手350社のサステナビリティを評価した初のランキング「食料・農業ベンチマーク(Food and Agriculture Benchmark)」の2021年版と同じ。22社のうち21社は、SSCIの中で、栄養、環境、社会インクルージョン、ガバナンス・戦略の4つでパフォーマンス測定していくことにコミットしており、今回WBAは先行して外部評価を実施した形。SSCI加盟企業の売上高の総計は5,000億米ドル(約72兆円)、雇用者数は数百万人を超える。
【参考】【国際】2021年食料・農業ベンチマーク、350社のSDGs評価。日本企業33社は上位に入れず(2021年10月9日)
評価対象の4分の3以上の企業、は4つの観点のうち1つ以上改善があり、情報開示においても改善が見られた。項目別では、環境で11社、栄養で5社、社会インクルージョンで11社、ガバナンス・戦略で9社。栄養が最も開示改善企業が少なかった。個別の企業のスコアは今回は公表されていない。
栄養に関する評価では、改善が見られた5社のうち4社が高脂肪、高糖質、高塩分(HFSS)の食品を減らすための戦略を開示し、健康的な食品ポートフォリオを増やす具体的な目標を設定するという先進的な動きがみられた。しかし、健康的な食品の価格やアクセスと、責任あるマーケティングの観点では、総じて情報開示が乏しかった。
責任あるマーケティングに関する評価項目で改善があったのはセインズベリーのみ。健康的な食品の手頃な価格と消費者に向けた透明性のある情報開示の評価項目で改善した企業はなかった。
マコーミック、明治、PHWグループは、食品安全基準に関する情報開示を増やし工場における第三者による食品安全認証を導入したことを報告。しかし、サプライチェーン全体における食品安全基準の確保で開示内容を改善したのはマコーミックのみだった。
WBAは、2023年に今回評価した企業を含む農業・食料サプライチェーン世界大手350社に対し、「食料・農業ベンチマーク(Food and Agriculture Benchmark)」を発表する予定。
【参考】【国際】WBA、食料・農業ベンチマーク2023年版メソドロジー改訂案公表。指標追加(2022年9月5日)
【参照ページ】World Benchmarking Alliance confirms: Workforce Nutrition offers untapped opportunities
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