英通信衛星大手インマルサットは10月27日、既存の人工衛星技術のポテンシャルをフル活用すれば、世界の二酸化炭素排出量を年間最大55億t削減できる可能性があるとの分析結果を発表した。現在の世界全体の排出量の約10%に相当する。
今回の分析では、世界排出量の60%を占める「輸送・物流」「農業・林業・土地利用」「エネルギー」の3つの焦点を当て、人工衛星技術を活用した削減ポテンシャルを計算。現時点でも毎年15億tの削減に寄与しているが、未活用の領域が40億tあるとの分析結果が出た。
具体的には、海上輸送では、人工衛星データを活用した自律型航行で燃費省エネを実現することで、年間4億t削減。エネルギー分野では、送電ロス検知等のモニタリング技術活用で13億tの削減。航空分野では、欧州宇宙機関(ESA)のIris技術が航空業界全体に採用されると1億tの削減。林業での火災防止等の分野も有効という。
インマルサットは今回、二酸化炭素排出量の削減には、人工衛星技術以外も含めて総力をあげて行う必要があるものの、今回提示した技術は、即導入が可能なものが多く、即効性が高いと指摘。2030年までに導入すれば、1.5℃目標での2030年必要削減量の6分の1、2℃目標での必要削減量の3分の1を削減できるポテンシャルがあると強調した。
【参照ページ】Space technologies offer opportunity to achieve one-sixth of emissions cuts needed to reach net zero by 2050
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