ウクライナ経済財務省(MEF)は10月24日、国債で史上2番目のサステナビリティ・リンクボンドを発行した。事前設定KPI条件(SPT)を達成した場合に金利が下がる「ステップダウン」としては史上初のサステナビリティ・リンクボンド国債となった。発行額は15億米ドル(約2,200億円)。金利は5.75%。年限12年。セカンドオピニオンはサステイナリティクス(Sustainalytics)。
【参考】【チリ】政府、史上初のサステナビリティ・リンクボンド国債発行。2400億円(2022年3月20日)
同リンクボンドのSPTは、2つ。まず、実質GDP当たりの国内二酸化炭素排出量の削減。条件は2段階あり、1段階目が2025年までに1990年比50%削減(SPT1.1)、2段階目が同52%削減(SPT1.2)。吸収も算定対象となる。次のSPTが国内原生林面積の拡大。こちらも条件が2段階あり、1段階目が2025年に2012年比と同等の面積の維持(SPT2.1)、2段階目が同3%増(SPT2.2)。
金利影響では、SPT1.1と2.1のいずれかが未達成の場合は、15bpsずつ金利引上げ(ステップアップ)。SPT1.2と2.2のいずれかが達成された場合は、15bpsずつ金利引下げ(ステップダウン)となる。すなわち、SPT1.1と2.1のみを達成した場合は、金利は変わらない。
セカンドオピニオンを提供したサステイナリティクスは、SPT1.1、SPT1.2、SPT2.1は「野心的目標」、SPT2.2は「非常に野心的な目標」と評価。高品質のSPT設定となった。同フレームワークの開発では、米州開発銀行(IDB)も協力した。
同国債には、欧州、アジア、米国、中南米から188人の投資家が購入。そのうち21%がウルグアイ国債保有第1号となった。注文は発行額の2.6倍の39.6億米ドルも集まった。ベンチマークとした米国債とのイールドスプレッドは170bps。クレディ・アグリコル、HSBC、JPモルガン、サンタンデールが主幹事。
【参照ページ】Uruguay's Sovereign Sustainability-linked Bonds
【参照ページ】Uruguay Issues Global Sustainability-Linked Bond, with IDB Support
【参照ページ】Fitch Rates Uruguay's USD 2034 Sustainability-Linked Bond 'BBB-'
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