JA全農は10月31日、肥料年度春肥の肥料価格を決定。最大で31%の値上げを発表した。原料費の上昇と大幅な円安が背景にある。
今回発表したものは、11月から2023年5月までの肥料価格。国際市況が大きく軟化した輸入尿素のみは9%の値下げ。それ以外は全て値上げとなった。
具体的には、りん肥料では、過石が15%増、重焼りんが16%増。同様にカリウムでは、塩化カリウムが31%増。珪酸カリウムが13%増。尿素のうち、国内尿素は11%増、硫酸アンモニウムは8%増。
原料の国際市況では、穀物価格の下落や需要が端境期に入ったことで市況も下がってきているが、中国政府による輸出制限の継続、インドとブラジルが今後は需要期に向かうこと、原材料価格の上昇を背景として国際市況は反転し、上昇すると見込んだ。
リン酸アンモニウムは、中国の輸出制限の一層の厳格化の動きや、中国での電気自動車(EV)普及によりバッテリー向けの工業用りん酸液の需要が増加しており、原料となるりん鉱石の価格が高騰していることから、今後も高値圏での推移と見込んだ。
塩化カリウムは、ロシアによるウクライナ侵攻で市況が急騰。特に市況上昇が著しい南米向けは、足元では水準を戻しているものの、東南アジアでは高止まりが続いており、今後インドやブラジル等の大消費国が需要期に入ることから、高値圏で推移と見込んだ。
【参照ページ】令和4肥料年度春肥(11~5月)の肥料価格について
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