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【国際】GFANZ、署名機関が550を突破。運営機関構成員も拡充。目標設定での強化図る

 2050年までのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする金融機関イニシアチブの連合体「ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)」は10月27日、2021年に発足以来初の年次報告書を公表した。

【参考】【国際】ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)正式発足。マーク・カーニーが議長(2021年11月4日)

 GFANZは、個別に発足した金融機関のアンブレラ組織として運営される。構成機関は、アセットオーナーのNet-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)、運用会社のNet Zero Asset Managers(NZAM)、銀行のNet-Zero Banking Alliance(NZBA)、損害保険会社Net-Zero Insurance Alliance(NZIA)、金融サービスプロバイダーのNet Zero Financial Service Providers Alliance(NZFSPA)、投資コンサルタントのNet Zero Investment Consultants Initiative(NZICI)、機関投資家横断の「パリ協定と整合した投資イニシアチブ(PAII)」。

 今回の発表では、GFANZの構成機関への加盟機関数が550を突破。発足以来100以上の機関が構成機関に加盟したことが明らかとなった。また、長期的なカーボンニュートラルのゴールだけでなく、科学的根拠に基づく中間目標を設定した加盟機関も250を突破し、さらにセクター別の中間目標を設定する動きへと移ってきていることも強調した。

 地域的な動きでは、公正な移行(ジャスト・トランジション)を包括的に進めるため、アジア太平洋(APAC)とアフリカで地域ネットワークを設立。発展途上国の声を多く吸い上げられるようにした。

 GFANZの運営の舵取りを担う主要メンバーグループ(Principal Group Members)の構成員も拡大。国連気候アクション・ファイナンス特使を務めるマーク・カーニー元イングランド銀行総裁に加え、新たに国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局のサイモン・スチエル事務局長、APACとアフリカの地域ネットワークのアドバイザリーボード議長、マームード・モヒールディン気候行動ハイレベルチャンピオン、ラヴィ・メノン気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)議長も新たに構成員となった。

 金融機関がカーボンニュートラルを実現する上で不可欠となるデータ整備では、2021年9月に国連総会のサイドイベントで発足した気候データ運営委員会の活動をGFANZとして支持した。同委員会は、マクロン仏大統領とマイケル・ブルームバーグ国連気候変動担当特使が創設し、オープンデータソース「ネットゼロ・データ公共ユーティリティ(NZDPU)」の設計開発を進めている。国連(UN)、経済協力開発機構(OECD)、金融安定理事会(FSB)、証券監督者国際機構(IOSCO)、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)、NGFS、国際エネルギー機関(IEA)、欧州委員会、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)、ブルームバーグ、ロンドン証券取引所グループ、ムーディーズ、S&Pグローバル等が参画。2023年秋頃までにパイロット版を立ち上げ、最終的にUNFCCC事務局に設置されることが予定されている。

 また、GFANZに関しては、改訂されたRace to Zeroの加盟基準にコミットし続けるかも注目を集めている。背景には、GFANZの構成6機関は、全てRace to Zeroの加盟基準を満たすことがRace to Zeroから確認されており、GFANZ構成機関の加盟機関は自動的にRace to Zeroの加盟機関にもなっていたという点がある。Race to Zeroは6月、加盟基準の引上げを発表。今回GFANZの広報は、英紙ロイターへの取材の中で、Race to Zeroへの加盟は、GFANZ構成機関の署名機関の各社の判断に委ねられており、義務ではないと語った。事前に加盟機関との調整がつかなかったことが伺える。一方、組織としては、今回主要メンバーグループに新たにUNFCCC事務局関係者を多数内包することで、さらに協議を強化していく考えとみられる。

【参考】【国際】Race to Zero、改訂加盟基準の意味を明確化。火力発電新設ファイナンスの段階削減を強調(2022年9月27日)
【参考】【国際】気候変動Race to Zero、加盟基準を大幅厳格化。加盟日本企業86社にも大きな影響(2022年6月16日)

 GFANZは別途、ネットゼロ・トランジション計画(NZTP)フレームワークの策定も進めている。

【参考】【国際】GFANZ、ネットゼロ・トランジション計画(NZTP)フレームワーク草案発表。パブコメ募集(2022年9月27日)

【参照ページ】GFANZ Reveals Year of Membership Growth and Implementation in Annual Progress Report, Expands Leadership with New Principal Group Members
【参照ページ】Climate Data Steering Committee Proposes Recommendations for the Development of First-Ever Publicly Accessible Climate Data Utility
【参照ページ】Mark Carney-led grouping drops U.N. climate initiative requirement

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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