国際的な携帯電話通信業界団体GSMアソシエーション(GSMA)は10月19日、携帯電話のコネクティビティに関する年次レポートの2022年版を発表した。携帯電話通信が物理的には可能でも経済的に利用できていないという格差の解消を訴えた。
同レポートは、世界の携帯電話のコネクティビティに関する包括的な分析を行ったもの。世界の携帯電話のネットワークのカバー率は2015年の81%から2021年には95%に増加。残りの4億人に対してインターネットを提供する必要があるが、2018年以降年間1%ずつしか拡大できておらず、進捗が遅れているとした。発展途上国では6人に1人が携帯電話でインターネット接続ができない。
また、2021年には世界人口の95%が携帯電話でインターネットが利用可能な地域に住んでいるが、実際に利用している人は55%にとどまっている。それでも、2020年から2021年にかけて利用人口が3億人増加し、ほとんどが中低所得国(LMICs)の人々だった。残りの世界人口の40%となる32億人がインターネットを利用できるにも関わらず利用できていない。但し、2019年の45%からは減少している。ここに利用格差の問題が潜んでいる。
利用格差の原因は、「識字率やデジタルスキルの不足」「携帯端末の手頃な価格」が上位。LMICsでは地域格差、男女格差、収入格差が先進国と比較して大きいことも指摘されている。
GSMAはデジタル格差を解消するために、携帯電話事業者、政府、国際機関による多くのステークホルダーによる目標とアクションが必要とした。具体的には、「デジタルスキルの向上」「手頃な携帯端末料金とデータ通信料金」「女性や子供を含めた安全・安心なセキュリティ」「包括的で透明性の高い携帯電話端末の登録プロセス」を提言した。
【参照ページ】Mobile Internet’s ‘Usage Gap’ is Almost Eight Times the Size of the ‘Coverage Gap’, GSMA Research Reveals
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