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【国際】WWF、「生きている地球レポート2022」発表。前回2020年から生物多様性状況悪化

 世界自然保護基金(WWF)は10月12日、2年毎に発行している「Living Planet Report:生きている地球レポート」の2022年版を発行。世界の生物多様性が過去50年で69%喪失していると警鐘を鳴らした。過去50年での喪失比率が、前回2020年の報告書の68%から今回1ポイント上昇した。

【参考】【国際】WWF、「生きている地球レポート2020」発表。過去50年で生物多様性が68%減少(2020年9月11日)

 同報告書によると、地域別では中南米で生物の個体数が94%減少しており、また生物種別では淡水生物が83%減少。顕著な影響を受けていることがわかった。また生物多様性の観点から見ても、生物多様性の残存率を示すBII(生物多様性完全度指数)でも、世界平均が前回の79%から77%へと悪化。安全圏の下限となる90%を大きく下回っている。特に新興国では30%を下回るところが数多く出現し、非常に危険な推移となっている。

 人間社会による資源消費と廃棄の観点での状況を指数化した「エコロジカル・フットプリント」では、2020年には地球が1年間に生産できる範囲を75%上回る「地球1.75個分」の世界の状況と。こちらも前回の1.6個分から悪化した。

 エコロジカル・フットプリントで、最も地球に負担をかけている活動は、食糧生産で全体の30%を占める。他には住宅で22%、交通・輸送で19%、サービス業で17%、物品で15%。そのため食糧生産には現状のままでは持続可能性が保てず、大きな変革が求められることとなる。

 脊椎動物の健全性を個体群の指標で測る「生きている地球指数(LPI)」では、1970年から2018 年の間に、平均で69%減少。とりわけ、世界の淡水域ので平均83%減少しており、非常に深刻な状況。淡水は、生活用水、食料の安全保障、産業利用等で人間社会に密接で、汚染や取水、野生生物の乱獲等が主な原因となっているという。

 同報告書は、生物多様性減少の主要因として、生息地の喪失、種の乱獲、外来種、汚染、気候変動、病気等を挙げている。また、自然資源が適切に評価されるよう、政策立案者に経済の転換を呼びかけた。さらに、食糧生産と消費、気候変動の緩和、環境再生への投資が、生物多様性と気候変動の問題をともに解決できる道とした。

【参照ページ】生きている地球レポート2022 ー ネイチャー・ポジティブな社会を構築するために ー

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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