世界経済フォーラム(WEF)は9月1日、都市変革を実現するために必要な資金調達モデル、テクノロジーの導入、都市のインクルージョン、気候変動への適応の4つの報告書を発表した。より気候変動に強く公平な都市を実現するためのケーススタディやツールを紹介した。
今回の報告書作成は、WEFの専門部会である「明日の都市に関するグローバル・フューチャー・カウンシル」が主導。新型コロナウイルス・パンデミック、格差の拡大、世界的な紛争を受け、都市が持続可能な開発を実現するためのシステム・アプローチを提供し支援している。
都市の資金調達モデルに関する報告書は、都市の変革に必要な資金調達を行うためのシステム・アプローチに関し、欧州、アジア、アフリカ、南米、オセアニアの10都市を調査したもの。政治的自立、財政的自立の2軸から4つの都市タイプを分類し、健全な都市財政運営を行うための5つの原則と4つの要素に落とし込んだ。都市は従来のインフラとグリーン・インフラの双方を構築しながら、運用と維持への歳出も必要となるため、多様な収入源を確保する必要があるとした。
都市へのテクノロジー導入、公平性とインクルージョンでは、それぞれの実現に向けた10ステップのアクションを報告。同時に、各国で実施されているベストプラクティスや豊富なケーススタディを紹介した。テクノロジー事例として取りあげられたのは、デジタルツインでは仏レンヌ、仮想発電所ではフィンランドのラッペーンランタ、次世代送配電では仏パリとトゥールーズ、スマートシティでは北マケドニアのスコピエ、インフォーマル経済のデジタル化ではブラジルのリオデジャネイロ、輸送のキャッシュレス化ではインドのスーラト等。公平性とインクルージョンでは、ブラジルのサンパウロ等の例が紹介された。
都市の気候変動適応の報告書では、気候変動に強いインフラ整備を実現するためのシステムアプローチを採用するための5つの行動計画を示し、都市のバリューチェーンに関わる産学管民のステークホルダーを巻き込んでいく必要性を訴えた。
【参照ページ】World Economic Forum Research Provides Comprehensive Blueprint for Future-Ready Cities
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