香料製造世界大手スイスのジボダンと米カーボンリサイクルLanzaTechは9月23日、炭素回収・利用(CCU)での香料成分の開発で協働すると発表した。
LanzaTechは、合成生物学とモデリング技術により、工場からの排ガス等をエタノールに変換し、異なる化学物質を生産することが可能。同社はすでに、洗濯用洗剤、衣類、靴、食品包装等、幅広い消費財の製造に向け、複数大手と協働を進めている。
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今回の両社の共同研究では、エタノールの生産だけでなく、ジボダン製品で使用する主要な香料成分の新たな開発手法の確立を目指す。ジボダンは、カーボンニュートラルを実現するためのソリューションとして、回収炭素の活用を模索する。
両社は、ドイツのノバインスティテュートが発足した「再生可能炭素イニシアチブ(RCI)」の加盟企業。RCIは、LanzaTech、ネステ、バイヤスドルフ、コベストロ、ヘンケル、Lenzing、Stahl、SHVエナジー、ユニリーバ、UPM、Cosun Beet Companyが創業メンバーとなり、2020年9月に発足。現在47社が加盟している。7月にはEU欧州委員会に対し、有機化学での回収炭素活用を政策で後押しするよう求める提言を発表。政策アドボカシーのワーキンググループも発足した。すでにEUは2021年2月、「持続可能な炭素循環」政策を発表し、2030年までに製品や材料に含まれる炭素の20%を非化石資源から調達する方向性を提示。RCIとして同目標を達成するための具体的な政策ツールの整備を求めた。
【参照ページ】Givaudan and LanzaTech announce their collaboration on developing sustainable fragrance ingredients from renewable carbon
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