積水化学工業は9月20日、材料開発でのマテリアルズ・インフォマティクス(MI)で、日立製作所との協働を開始すると発表した。日立製作所が開発したMI適用型の「材料開発ソリューション」を活用する。
今回の施策では、MIに必要となる材料開発のためのナレッジや実験データを、社内外から自動で収集・整理・蓄積・統合し、最大限活用できるデータ環境を構築する。また実験ワークフローをサイバー空間上で表現したデジタルツインの構築により、材料開発の領域におけるサイバーフィジカルシステムの有用性の実証を進める。
具体的な協働分野は3つ。まず、日立製作所が開発した量子コンピュータを疑似的に再現するCMOSアニーリングを、材料開発分野に適用。新材料開発の時間やコストの削減効果を検証する。
2つ目は、日立製作所独自のAIを用い、社内外のさまざまなデータ整理を自動化。さらに国や研究機関が公開するデータベースと統合し、研究者が着目する多様な知識を蓄積する「材料開発統合ナレッジベース」を構築する。こちらでも研究開発の効率化効果を検証する。
3つ目は、実験デジタルツインの構築と実験データ収集の自動化による材料実験業務のDX化。実験ワークフローをサイバー空間上に再現し、各プロセスの実験データを関連づけ、実験デジタルツインを構築する。
同社は、サーキュラーエコノミー化に向けた素材開発も進めている。8月には、同社と米H.B. Fullerの合弁会社積水フーラーが、バイオマス原料を用いた接着剤を10月から販売開始する。新ブランド名は「SFグリーンメルト」。2025年度に同ブランドで売上3億円を目指す。
【参照ページ】積水化学と日立、材料開発におけるMI推進に向け、先進デジタル技術を用いた協創を開始
【参照ページ】バイオマス材料を用いた粘接着剤「SFグリーンメルト™」シリーズを発売
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