化学世界大手英リンデ、石油化学世界大手サウジ基礎産業公社(SABIC)、化学世界大手独BASFの3社は9月8日、世界初の電気加熱式蒸気分解炉の大規模実証プラントの建設を開始したと発表した。2023年稼働予定。再生可能エネルギー電力を使用することで、二酸化炭素排出量を従来比90%削減できる見込み。
同実証プラントでは、ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンにあるBASFの工場で、既存のスチームクラッカーの1つに完全統合。電気を熱源とするオレフィンの連続生産を行う。炭化水素の処理能力は、1時間あたり約4tで、消費電力は6MWh。
今回の実証では、直接加熱と間接加熱の2種類の加熱コンセプトを検証。直接加熱では、反応炉内のプロセスチューブに直接電流を流し、間接加熱では、チューブの周囲に配置した発熱体の輻射熱を活用する。
実証プラントの投資は、BASFとSABICが負担。同プロジェクトは、独連邦経済・気候変動省の助成プログラム「Decarbonization in Industry」から1,480万ユーロ(約21億円)の支援も得ている。実証プラントの運営はBASFが担当。リンデは、エンジニアリング、調達、建設で協働し、将来的には電気加熱式蒸気分解炉を商業化予定。
【参照ページ】BASF, SABIC AND LINDE START CONSTRUCTION OF THE WORLD’S FIRST LARGE-SCALE ELECTRICALLY HEATED STEAM CRACKER FURNACES
【画像】SABIC
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