ブラジル司法公安省は9月6日、充電機器が付属されていないiPhoneの販売をブラジル全土で停止したと発表した。さらに製造元であるアップルのブラジル法人に対し、12,275,500レアル(約3.3億円)の罰金を科すとともに、iPhone12モデル以降の販売登録を取り消す決定を下した。
アップルは、iPhone12以降で、充電機器を付けずに販売を開始。背景には、すでに充電器を所有している人にとって、新たな充電機器は無駄であり、廃棄物を削減するという狙いがある。しかし、ブラジルでは、2021年12月から消費者問題当局の国立消費者事務局(Senacon)の事案となり、今回、消費者に全ての負担を転嫁させているとの判断を下した。
今回の当局の判断では、アップルが独自の充電ケーブルを使用していることも仇となった。同省は、廃棄物を削減し環境負荷を低減するのであれば、一般的に普及しているUSB-Cタイプを採用する等の手段があったと指摘した。充電機器を付属しないにもかかわらず、価格が下がってないとの考えも示した。
同省によると、ブラジルで地方レベルでも、サンタカタリーナ州、サンパウロ市、フォルタレザ市、カルダス・ノバス市等の消費者問題当局が、すでにアップルに対し罰金を科す判断を下していたが、アップルは対策を打たなかったことも今回の判断の理由の一つして挙げた。
同省は全体としては、スマートフォンと充電器のセット販売の強要、不完全な製品または本質的な機能を欠く製品の販売、消費者に対する差別による完全な製品の販売拒否、第三者への責任転嫁の4つを根拠に挙げた。
今回の判決に対し、アップルは不服申立てが可能。但し、違反に固執する場合は、さらなる厳罰の可能性もあると表明した。アップルは不服申立てするとみられている。
【参照ページ】Suspensa a venda de iPhones sem carregador no Brasil
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