持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)の「サプライチェーンの脱炭素化へのインセンティブ付け」ワーキンググループは8月9日、スコープ3を含めた二酸化炭素排出量をカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にするための重点施策を整理したレポートを発表した。同グループは、PwCが運営に協力している。
今回のレポートは、2次サプライヤー以降も含めたサプライチェーン全体の排出量をどのように把握していくかを整理したもの。ステップとしては、まず1次サプライヤーとのエンゲージメントから始め、全体感を把握することが重要とした。そして全体感を把握した後に、影響力を発揮しやすい2次以降のサプライヤーに焦点を当て、戦略的に2次サプライヤーとのエンゲージメントを進めることが肝要とした。
また、サプライヤーでの排出量削減を進める上での施策体系も整理。サプライヤーとのコミュニケーションの次元から、実際の契約インセンティブの次元まで10の戦略をまとめた。ハードウェア企業を例に、5次サプライヤーまでの施策についても提示した。
施策を進める上での工夫では、サプライヤーでの知見向上とサプライヤー毎のグループ化を挙げたことも、同レポートの大きな特徴。サプライヤー自身が知見を向上することが全体の進捗スピードをあげるため、積極的に知見をインプットして行く必要性を伝えた。また、業種や地域ごとにサプライヤーをグループ化することで共通の突破口が見えやすく、同じグループ内のサプライヤー同士での意見交換や情報共有も有効とした。但し、同レポートは、競争法の観点からの制約については触れられていない。
【参照ページ】Incentivizing supply chain decarbonization by engaging with suppliers beyond tier 1
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