中国バッテリリサイクル・スタートアップ傑成新能源は7月、シリーズAで1億人民元(約20億円)の資金調達に成功した。調達資金は、バッテリーリサイクル技術の研究開発と生産能力拡大に充当する。
同社は2012年に深圳で創業。グレーターベイエリア(粤港澳大湾区)に事業拠点を展開している。現在、廃バッテリーの回収、保管・移送、二次利用、解体、湿式製錬等でのリサイクル・再資源化までのバリューチェーンを自社内で構築している。特に、電気自動車(EV)バッテリーの回収が活況を呈しており、品質レベルに応じて二次利用、再利用、リサイクル等を順次行う「カスケード利用」に強みを持つ。
傑成新能源の鄭偉鵬・創業者兼CEOは、二次利用、リサイクル・解体、湿式製錬、材料回収の4分野を重点と説明。特に、EVバッテリーが容量の20%低下に減少した廃EVバッテリーを、低速EVに二次利用する事業を強化している。二次利用特化型バッテリーマネジメントシステムも開発済み。さらに、容量の状態を把握するための高速検査機の開発にも成功した。
湿式製錬では、ニッケルやコバルト等の金属を急冷し、蒸発させてプリカーサーや正極材に結晶化させるのが一般的。同社は、大規模処理化でのプロセス効率を追求し、さらにコスト削減が可能とみている。
同社の年間バッテリーリサイクル能力はすでに約4万t。すでにフル稼働で、深圳と恵州の既存拠点の能力に加え、広東省江門市に新たに工場建設を計画。能力を30万t以上にまで拡大する。同時に本社拠点周辺だけでなく、北京市、天津市、河北省、成都市、重慶市等でも廃バッテリーリサイクル拠点も整備している。
同社はすでに、アップル、vivo、DJI(大疆創新)、新万達、EVE Energy(億緯鋰能)、BYD(比亜迪)、BAICブルーパーク・ニュー・エナジー(北汽藍谷新能源科技)等の企業とも協力関係を構築している。
今回出資に応じたのは、中銀粤財のプライベートエクイティ・ファンドがリードインベスター。光大控股(Everbright Holdings)、Longgang Golden Holdings、Xin Yi Capital等が出資した。
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