米バイデン政権は8月3日、連邦政府ビル改修を二酸化炭素排出量削減の模範としていく「気候スマートビルディング・イニシアチブ」を発表した。連邦政府ビルを企業と協働して改修し、エネルギーコストの削減と納税者負担の削減にもつなげる。
米共通役務庁の発表によると、同庁が管理している連邦政府ビルだけで142棟ある。米大統領府(ホワイトハウス)の発表によると、不動産の省エネ性能向上では、2030年までに80億米ドル以上の民間投資を促進できるインパクトがあり、約8万人の雇用創出効果もあるという。実践すれば、2030年までに二酸化炭素排出量を年間最大280万t削減できる。
削減スキームでは、ESCO事業方式を採用。ESCOサービス事業と「パフォーマンス契約」と呼ばれる契約を締結し、事前設定した削減目標を上回れば、ESCO事業者の収益が増加するインセンティブが設計されている。ESCO事業での削減は、国防総省ですでに大きな実績がある。
ホワイトハウスは、ESCO契約が2021年度の2億5,100万米ドルの規模から2030年には年間12億米ドル以上に拡大できると見通した。自家発電の増加、ヒートポンプ等の最新技術の導入、効率的な照明や断熱材の採用、電気自動車(EV)充電スタンドの設置等が予定されている。
また連邦政府のナレッジもフル動員する。エネルギー省(DOE)の連邦エネルギー管理プログラム、共通役務庁(GSA)の国家ディープエネルギー改修プログラム、米陸軍工兵隊のハンツビルセンター等の専門家が、ベストプラクティスのリソースとソリューションのハブとしての役割を果たす。
財源は、インフラ投資・雇用法で確保した予算から2.5億米ドルを活用。エネルギー省のAFFECTプログラムからも追加資金を出す。
目標は、2032年までに連邦政府ビルからの排出量を50%削減し、2045年までにカーボンニュートラルを実現する。
【参照ページ】FACT SHEET: White House Takes Action on Climate by Accelerating Energy Efficiency Projects Across Federal Government
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