英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は7月22日、同国初の重要鉱物戦略を発表した。再生可能エネルギー等の普及による需要拡大とともに、経済安全保障の観点から、サプライチェーン確保を進める。
同戦略は、「国内生産能力の育成を加速」「国際的なパートナーとの協働」「国際市場の迅速性、透明性、責任ある調達の強化」の3つが柱。重要鉱物では、アンチモン、ビスマス、コバルト、ガリウム、グラファイト、インジウム、リチウム、マグネシウム、ニオビウム、パラジウム、プラチナ、レアアース、シリコン、タンタル、テルル、スズ、タングステン、バナジウムの18種を特定。さらに、監視リストとして、イリジウム、マンガン、ニッケル、リン酸塩、ルテニウムの5つを定めた。
国内生産能力の育成では、国内保有資源の探査と採掘だけでなく、サーキュラーエコノミーの加速を盛り込んだ。サーキュラーエコノミーでのイノベーション促進、資金支援、規制の在り方の検討を進める。
国際的なパートナーとの協働では、サプライチェーンの多様化に重点を置く。外交としての二国間関係の強化だけでなく、英国企業の責任あるサプライチェーン構築も追求する。また、深海底資源についての調査と採掘課題の研究も進める。
国際市場の迅速性、透明性、責任ある調達の強化では、世界全体でのESGパフォーマンスの向上を掲げ、英国が模範を示すと強調した。またデータ整備やトレーサビリティ確保も進め、透明性を向上。加えて、ロンドンを金属コモディティ取引の世界の中心地として擁立する。
【参照ページ】Resilience for the Future: The UK’s critical minerals strategy
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