清水建設は8月10日、バイオ炭をコンクリートに混入させたカーボンネガティブ・コンクリートを開発したと発表した。普通コンクリートと同等の流動性も備え、幅広いコンクリート構造物への適用が見込めるという。
混和材として利用するバイオ炭の材料には、針葉樹や広葉樹の製材時に廃棄されるオガ粉を利用。オガ粉を炭化したオガ炭は、他のバイオ炭と比べて炭素を安定的かつ多量に固定できる特徴があり、炭素含有率は約9割、100年後の炭素残存率も約9割と高い。混和材1kgあたりの二酸化炭素固定量は約2.7kg。コンクリート1立米あたり60kgの混和材を添加することで、約160kgの二酸化炭素を固定できる。
さらに、セメント材料に普通ポルトランドセメントを使用した場合の二酸化炭素排出削減率は67%。製造に伴う排出を抑制できる低炭素セメントを使用すれば最大127%の削減が実現できる。
強度では、一般的な土木配合で使う普通コンクリートと同等の性能を有することを硬化性状試験で確認済み。施工性についても、現場でのポンプ圧送に適応する流動性をフレッシュ性状試験で確認しており、コンクリート二次製品への適用のみならず、現場でのコンクリート施工にも広く対応できるという。
次にライフサイクル全体の削減がどの程度見込めるかの実証が待たれる。
【参照ページ】バイオ炭を用いてコンクリート構造物に炭素を貯留
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