米EVバッテリー・リサイクルのレッドウッド・マテリアルは7月25日、米ネバダ州北西部に、再生素材でのバッテリー電材工場を建設すると発表した。投資額は今後10年間で35億米ドル(約4,700億円)。1,500人以上の雇用も創出する。
同社は、2017年に米ネバダ州でテスラ元幹部のJ.B.ストラウベル氏が創業したスタートアップ。廃バッテリーからニッケル、コバルト、リチウム、銅等の金属の95%以上を回収し、バッテリーの陽極と陰極の部品を再製造し、米国のバッテリーメーカーに供給する閉ループを構築している。
同社は、2019年からパナソニックと提携関係にある。パナソニックは、ネバダ州のテスラ・ギガファクトリーでバッテリーセルを作る際に発生するスクラップを再生するため、提携を開始した。
同社は2020年には、最初の資金調達ラウンドを終え、ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズや、カプリコーン・インベストメント・グループ等から4,000万米ドルの調達に成功。さらに、アマゾンもClimate Pledgeの一環で進めているベンチャー投資を活用し、同社に投資している。
同社は7月12日、フォルクスワーゲンの米国法人と提携し、「フォルクスワーゲン」と「アウディ」ブランドの電気自動車(EV)から出る廃バッテリーをリサイクルすると発表。フォルクスワーゲン米国法人の1,000以上のディーラーネットワークと直接協力し、廃EVバッテリーパックを回収、安全に梱包し、ネバダ州の工場に輸送する。
また6月12日には、トヨタ自動車の北米法人との提携も発表。プリウス等のハイブリッド車の廃バッテリーを回収することから始め、将来的には再生部品の供給まで漕ぎ着けたい考え。
同社は現在、年間廃バッテリーを6GWh以上回収し、電池材料を再製造している。2025年には年間100GWh、2030年までに500GWhにまで拡大する計画。1GWhのバッテリーはEV1万台に相当する。
同社は2月には、国際チームを大幅に拡大し、欧州の自動車メーカーや電池セルメーカーとのパートナーシップを確立する計画も発表。欧州でも閉ループを構築していく。
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