国際的な携帯電話通信業界団体GSMアソシエーション(GSMA)は6月、世界初となる携帯通信事業者のESG報告フレームワーク案を発表した。9月末までパブリックコメントを募集し、その後パイロットプログラムを始める。
今回策定の報告フレームワークは、EYとイェール大学ビジネス環境センターが、通信世界20社と共同開発したもの。20社の合計で、世界市場シェア45%を占める。同フレームワークは、4カテゴリーで合計10指標で構成。GRIスタンダードやSASBスタンダードとの整合性も図った。
同報告書では、まず、企業のESGに関する報告は「第1層:ユニバーサル」「第2層:業界固有」「第3層:企業」の3層に分けられると定義。第1層の報告基準は、ISSBやステークホルダー資本主義測定指標など普遍的なフレームワークに則り報告するものとした。今回のフレームワークは第2層に関する報告として整理している。
(出所)GSMA
1つ目のカテゴリーは「環境」。構成するKPIは、スコープ3を含む二酸化炭素排出量と科学的根拠に基づく削減目標、及びエネルギー消費量、廃棄物削減量の4つ。廃棄物では、サーキュラーエコノミーの概念が盛り込まれた。
2つ目は「デジタル・インクルージョン」で、モバイルネットワークの網羅率、料金の妥当性、顧客・従業員を含めたデジタルスキルトレーニング実施率。
3つ目は「デジタル・インテグリティ」。データ保護、デジタル権、オンラインの安全性(特に子供を含む脆弱なグループ)の3つを定めた。
最後は「サプライチェーン」。持続可能なサプライチェーンの構築のため、持続可能な調達方針の設定とサプライヤーアセスメントが指標として挙げられた。
同フレームワーク策定に参加した企業は、ボーダフォン、オレンジ、エアテル、ドイツテレコム、シングテル、グローブ、テレフォニカ、テレノール、テリア、テルストラ、VEON、Zain、サファリコム、MTN、MTS、Millicom、アメリカモビル、STC、TIMの20社。世界経済フォーラム(WEF)、World Benchimaking Alliance(WBA)、Value Balancing Alliance(VBA)、国際電気通信連合(ITU)、国連開発計画(UNDP)、リフィニティブ、Threefold Sustainabilityも策定作業に加わった。
【参照ページ】ESG Metrics for Mobile
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