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【ヨーロッパ】ドイツ政府、ユニパーを企業救済へ。株式約30%取得。フランスではEDF国有化へ

 独エネルギー小売大手ユニパーは7月22日、ドイツ政府からの企業救済支援を受けることで合意したと発表した。ドイツ政府が2億6,700万ユーロ分の新規発行株式を購入し、同社の株式約30%を保有する予定。同社は臨時株主総会を開催し、株主の承認をとりにいく。

 同社は、ロシア産天然ガスの供給が不足したことで経営危機に突入。ドイツ政府に救済を要請していた。今回ようやく合意に達した。

【参考】【ヨーロッパ】ノルド・ストリーム1、定期メンテナンスでガス供給停止。欧州に大きな打撃(2022年7月12日)

 今回の合意では、まず、ドイツ政府が増資を引き受けることで、社債の信用格付で投資適格を維持しにいく。株式を約30%保有したドイツ政府は、同社の監査役会で大きな影響力を持つことになる。さらに、ドイツ政府は同社の強制転換権付社債も最大77億ユーロ引き受ける。

 また、ドイツの政府系金融機関であるドイツ復興金融公庫(KfW)からも、同社に対するコミットメントラインを20億ユーロから90億ユーロへと拡大する。

 さらに、ドイツ政府は、2022年10月1日以降のロシア産ガス不足分の代替調達費用の90%を価格転嫁することを許容する意向を同社に伝えており、今回の救済パッケージの前提条件にもなった。加えて、同社の他の事業の営業利益で相殺できない代替コストの損失が70億ユーロを超えた場合、ドイツ政府がさらなる支援を行う用意があることも合意内容に盛り込まれた。

 今回の合意では、ユニパーの親会社であるフィンランドのフォータムに対しても、強制転換権付社債の一部を取得するオプションも付与された。但し、2021年12月にフォータムがユニパーに融資した40億ユーロの債権の譲渡が条件となる。取得は40億ユーロが上限で、発行済み強制転換型社債の70%を超えてはならない。

 今回の救済策を受けるためには、エネルギー憲章条約(ECT)に関連し同社が起こしたのオランダでの訴訟の取下げ、欧州委員会を始めとする規制当局からの承認、S&Pグローバル・レーティングによる同社の投資適格格付取得が条件となっている。

 フランスでも7月6日、エリザベット・ボルヌ首相が、エネルギー大手EDFの完全国有化計画を発表。さらに7月19日、経済・財務・産業及びデジタル主権省が、買収価格を公表した。フランス政府はすでに同社株式の84%を保有しているが、少数株主に1株当たり12ユーロを支払うという。7月5日の終値との比較で53%のプレミアムが付いた価格。エネルギー価格の抑制やエネルギーの備蓄を高めることが狙い。

【参照ページ】Agreement on stabilization measures reached – Uniper safeguarded as a system-critical energy supplier

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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