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【国際】IEA、主役は再エネとしつつも原発の役割必要と指摘。原発の課題はコスト上昇

 国際エネルギー機関(IEA)は6月30日、原子力発電に関する特別レポートを発行。2019年に発表したの見通しをアップデートした。カーボンニュートラルの気運が高まり、各国で原子力発電を促進する動きが出てきていると説明。一方で原子力発電の発電価格の上昇が大きな課題となる伝えた。

 原子力発電は目下、二酸化炭素排出量の少ない電源として水力発電に次ぐ設備容量を誇る。原子力発電所は32カ国に立地しており、設備容量全体の63%が30年以上前に建設されたもの。一方で、最近、先進国と新興国の双方で、原子力発電への投資を大幅に奨励する政策を発表されていると指摘した。具体的には、米国、カナダ、フランス、英国、ベルギー、オランダ、ポーランド、韓国、日本、中国、インドを挙げた。

 同レポートは、原子力発電が直面する課題として、技術リスク、政治リスク、レピュテーションリスク、オペレーションリスク、市場・価格リスクが高いことを挙げ、資本コストの上昇、ひいては均等化発電原価(LCOE)につながるリスクがあるとした。実際に原子力発電の建設コストは、近年多くの国で上昇しており、欧米でも建設の大きな遅延が発生しているプロジェクトがあると指摘。計画よりもLCOEが2倍以上にまで跳ね上がったものもあるという。

 また、原子力発電を選択肢から始めた国では、安全性や使用済み核燃料への懸念が背景になっていると説明。またロシアのウクライナ戦争は、原子力発電の安全性への懸念を高めるものとなったとの見解も伝えた。

 これらを踏まえ、IEAが2021年に示した「ネットゼロ2050(NZE2050)」シナリオでは、原子力発電の発電量は、世界全体で2020年の2,690TWhから、2050年には約5,500TWhにまで増加。但し、全発電量に占める割合は2020年の10%から2050年には8%へと減少すると見立てた。背景には、全体の90%以上のゼロエミッション電源(クリーンエネルギー)の増加分は、再生可能エネルギーで賄われる見通しのためとしている。

 IEAは今回、原子力発電は、再生可能エネルギーが大規模に普及するまでには、原子力発電は有効とし、特に現行の原子力発電所の寿命延長が最もコスト効率がよいとした。また、新設は、中国や他の新興国が牽引する形で2030年代にピークを迎え、2040年代は減少すると見通しを示した。

 同レポートは、完全な脱原発ではカーボンニュートラルの達成は難しいと説明。但し、現行の大型原子力発電所の建設には、相当な規模の政府の後押しが必要となり、投資リスクが高いと指摘し、その点で、小型モジュール炉(SMR)は投資リスクを抑制でき、2030年代には役割が大きくなるとした。

【参照ページ】Nuclear power can play a major role in enabling secure transitions to low emissions energy systems

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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