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【国際】WBAとITU、ICTセクター大手150社のCO2削減評価報告書発表。日本企業も7社対象

 ビジネスの国連持続可能な開発目標(SDGs)推進国際NGOのWorld Benchmarking Alliance(WBA)と国際電気通信連合(ITU)は6月22日、世界のICTセクターの気候変動のコミットメントと進捗を評価する報告書を発表した。

 同報告書は、ICT世界大手150社の二酸化炭素排出量とエネルギー使用量を算出し、ベストプラクティスをまとめたもの。日本企業では、KDDI、NEC(日本電気)、NTT、任天堂、楽天、ソフトバンク、ソニーの7社が対象となった。

 同報告書によると、2030年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げているのは38社。さらにその後にカーボンネガティブを標榜している企業も数社あった。先進企業のベストプラクティスを、業界全体で実行すれば、ICTセクターは最もクリーンな業種の1つになれるとした。

 分析対象企業150社の2020年のスコープ1と2の排出量は2.4億t。世界全体の排出量の0.8%を占めていた。150社の排出量のうち、上位20社が75%を占めた。また、東アジアに本社がある9社は、再生可能エネルギーの利用も少なく、全排出量の半分を占めていた。同9社がカーボンニュートラルを達成するのは2050年以降の予定。他の地域のICT企業よりも20年以上達成が遅れることを懸念事項として指摘した。

 また、消費電力量は150社合計で425TWhあり、世界全体の1.6%を占めた。このうち約3分の1が再生可能エネルギーでの消費。同年の再生可能エネルギーを購入した企業上位10社のうち7社がICT企業で、世界全体の購入量の44%を占めた。150社のうち31社は再生可能エネルギー100%での事業運営を目指す国際イニシアチブRE100に加盟している。

 課題としては、実際には再生可能エネルギーを購入した金額分調達できていないことを挙げた。IT世界大手米アルファベットは再生可能エネルギー利用100%を達成しているが、1時間単位でみると支払った再生可能エネルギーによる電力の67%しか供給されていない。一方、アルファベットはすでに、1時間単位で再生可能エネルギー100%の電力を調達できるようにするイニシアチブ「24/7 Carbon-free Energy Compact」を始めている。

【参考】【国際】国連エネルギー対話、7ヶ国が「No New Coal」署名。洋上風力は2050年に2000GW(2021年9月28日)

【参照ページ】WBA and ITU publish joint report assessing digital companies’ climate commitments and progress

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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