経済産業省は6月26日、翌27日の16:30から17:00の東京エリアの電力予備率が3.7%と非常に厳しい見通しになると発表。電力需給ひっ迫注意報を制定後初めて発令した。自主的な節電を要請した。
【参照ページ】【日本】政府、7年ぶりに家庭と企業に節電要請決定。計画停電も。「電源不足日本」に突入(2022年6月7日)
同省は6月7日、閣僚級の電力需給に関する検討会合を5年ぶりに開催し、前日の段階でも予備率が5%を下回ると予想される場合、前日16:00をめどに「電力需給ひっ迫注意報」を発令する制度を創設した。今回が初発令となる。さらに、予備率が3%を下回ると予想された場合には、「電力需給ひっ迫警報」を発令する。いずれも自主的な節電要請を政府として呼びかけるのが措置。計画停電等は政府も含めた制度整備が進んでいない。
電力逼迫状態の対策では、東京電力ホールディングスは6月24日、東京都との間で「エネルギー情勢を踏まえた電力の安定供給とカーボンニュートラルに向けた取組の加速に関する連携協定書」を締結。電力逼迫の際には、広域的な停電等を回避するための情報連携を図ることで合意。さらに、化石燃料への依存度を下げるため、「カーボンニュートラルに向けた取り組みを推進」することで一致していた。連携協定には、再生可能エネルギー電源創出の最大化や蓄電池・水素を活用した蓄電機能の創出、及び無電柱化等の推進による都市防災機能の強化等が盛り込まれている。
また、経済産業省資源エネルギー庁の電力・ガス基本政策小委員会での議論内容等に基づき、2022年度夏季における需給対策として、一般送配電事業者8社による追加供給力公募(kW公募)と、9社による追加供給kWh公募で、追加供給力を提供できる燃料および設備等を募集。共同購入として、追加供給力として120万kW、追加供給kWhとして10億kWhの落札結果も6月17日と6月20日に発表している。電源の種別や詳細は公開されていない。
また、東京電力ホールディングス、東京電力エナジーパートナー、東京電力パワーグリッド、関西電力送配電、中部電力パワーグリッド、東京大学、早稲田大学、三菱総合研究所、三菱重工業、京セラの10者は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発」に応募し、6月3日に採択されている。
【参照ページ】6月27日は東京エリアで電力需給が厳しくなる見込みのため節電のご協力をお願いします【需給ひっ迫注意報】
【参照ページ】東京都との「エネルギー情勢を踏まえた電力の安定供給とカーボンニュートラルに向けた取組の加速に関する連携協定書」締結について
【参照ページ】「電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発」の採択および事業開始について
【参照ページ】2022年度夏季追加供給力の公募結果について
【参照ページ】2022年度夏季追加供給kWhの公募結果について
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