Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【日本】外務省、バングラとインドネシアの石炭火力新設支援の中止発表。NGO勝利宣言

 小野光彦外務報道官は6月22日、バングラデシュの石炭火力発電所マタバリ1号機及びマタバリ2号機の拡張として日本政府と進めていたマタバリ3号機とマタバリ4号機の開発事業と、インドラマユ石炭火力発電事業の支援中止を発表した。

 今回の発表では、2021年6月のG7首脳会合で、日本政府も、排出削減対策が講じられていない(Unabated)な石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援を、2021年中に終了することに合意していたことを、マタバリ石炭火力発電所の支援中止の理由として説明。インドラユマ石炭火力発電所に関しては、インドネシア政府自身が、実施中止を決めたため、日本政府としても円借款支援はこれ以上検討しないと説明した。

 マタバリ2石炭火力発電プロジェクト(3号機・4号機)は、超々臨界圧(USC)石炭火力発電所として2010年代中頃から計画が本格化し、住友商事が事業に参画。600MWを2基建設する計画で、国際協力機構(JICA)も数千億円規模で融資していた。しかし住友商事は2月、事業撤退を先んじて発表していた。今回の発表を受け、バングラデシュ政府は、マタバリ2石炭火力発電プロジェクトそのものの中止を発表している。

【参考】【日本】住友商事、新規石炭火力事業からの完全撤退を表明。マタバリ3&4に参画せず(2022年3月3日)

 インドラユマ石炭火力発電は、同じく超々臨界圧(USC)石炭火力発電所として設備容量を1GWを2基建設する計画で、JICAは2013年から素十億円の融資契約を締結。今後、着工すれば、大規模な事業融資も計画していた。

 今回の発表を受け、長年、双方の案件の反対活動を行っていた環境NGO「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、気候ネットワーク、Friends of the Earth(FoE)Japan、350.org Japan、メコン・ウォッチは勝利宣言を発表した。

 当該案件では、環境NGOや人権NGOが再三反対活動を行っていたが、日本政府は長年、現地の電力需要を理由に、継続する意向を伝えていた。だが、最終的には、中止となった。融資した金額が国庫に返ってくるかは不明だが、全額返済はおそらく厳しい見通し。日本政府の気候変動に関する見通しの甘さのせいで、多くの国庫が失われる結果となりそうだ。

【参照ページ】小野外務報道官会見記録
【参照ページ】住民・市民運動の勝利!日本政府がマタバリ2及びインドラマユ石炭火力の支援中止を発表

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。