国際環境NGOの保険会社への脱炭素推進ネットワーク「Insure Our Future」と、韓国環境NGOのSolutions for Our Climate(SFOC)は6月9日、ベトナムのブンアン2等、石炭火力発電事業5事業の事例調査結果を発表。日本の損害保険大手3社が巨額の保険を引き受けていることを伝えた。
今回の調査は、韓国電力公社が関与した5つの石炭火力発電事業のうち、フィリピンのセブ・ナガ石炭火力発電所、ベトナムのギソン2石炭火力発電所およびブンアン2石炭火力発電所、インドネシアのジャワ9・10石炭火力発電所が対象。韓国の国会議員が情報請求をして入手したデータを、NGOが分析した形。
発表の結果、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングスの3社が、全体で調査対象5事業のうち、4事業の保険を引き受けていることが明らかとなった。個別事業における保険引受状況が公開されることは極めて異例。
同事業に関しては、欧米の保険大手が相次いで引受から撤退していた。その結果、日本の損害保険大手が受け皿役を担っている姿が浮き彫りとなった。特にブンアン2では、MS&ADインシュアランスグループホールディングスが12億1600万米ドル、東京海上ホールディングスが5億6,900万米ドル、SOMPOホールディングスが2億3,800万米ドルの規模で引き受けており、同事業全体の約46%を占めていた。
これらの保険契約は、各社が原則として石炭火力発電事業の引受を禁止したあとに実行されており、環境NGOは、例外規定の抜け穴が、大きな穴となっていると批判している。
【参照ページ】【プレスリリース】MS&AD・東京海上・SOMPOによるベトナム・ブンアン2石炭火力等への巨額保険引受が判明
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