機関投資家の食品・小売関連イニシアチブ「Farm Animal Investment Risk and Return(FAIRR)」は6月8日、国連食糧農業機関(FAO)に対し、自然及び栄養の安全保障目標に関する2050年までのグローバル・ロードマップを作成するよう要請した。すでに、数多くの機関投資家の署名が集まっている。
同共同声明は、FAOが過去数年にわたり、食糧安全保障の強化、レジリエンスの構築、気候変動の緩和のために行ってきた措置を歓迎。一方、これらの目的を達成するため、具体的なロードマップの作成を求めた。FAOが適任と判断した。
問題意識としては、IPCCの「気候変動と土地に関する特別報告書」を参照し、食糧システムが、気候変動、生物多様性の喪失、栄養失調、薬剤耐性等重大なリスクにさらされていると指摘。また、食糧システムの活動そのものが、環境に重大な影響を及ぼしているとも伝えた。
同共同声明は、FAOのロードマップは、投資意思決定に役立つと説明。気候変動リスクへのエクスポージャーを最小化できるとした。エネルギーセクターで、国際エネルギー機関(IEA)がロードマップを作成したことが重要な役割を果たしているように、食糧分野のロードマップが必要とした。
同声明には、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」が署名。他にも、AP7、リーガル&ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、Mirova、アライアンス・バーンスタイン、AVIVA Investors、キャピタル・グループ、コラーキャピタル等が署名した。運用資産総額は14兆米ドル(約1,880兆円)。引き続き署名を募集している。
【参照ページ】Roadmap to 2050 for Food and Agriculture
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