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【国際】世界経済フォーラム、若年層向け教育でアクション加速。教育4.0アライアンス発足

 世界経済フォーラム(WEF)のスキル開発イニシアチブ「リスキリング・レボリューション」は5月25日、子供と若者のための教育に関する新しい報告書を発表した。今回の報告書は、レゴ財団と、官民合わせた主要な教育の専門家により作成された。

 同イニシアチブは、2020年1月に発足。2030年までに10億人により良い教育、スキル、雇用を提供することを目標としており、CEO50人、閣僚人25名、350団体で構成される。

【参考】【国際】世界経済フォーラム、人材コンピテンシー分類「グローバル・タクソノミー」発表(2021年2月1日)

 同イニシアチブでは現在、成人のアップスキル、リスキルを中心に活動を展開しているが、子供、若者に向けての活動にも注力。若年層に向けた活動では、「教育4.0アライアンス」を新設、企業や団体20機関が参加することも明らかにした。参加するのは、アマゾンのAWS、IBM、Adobe、デルEMC、Code.org、ノボノルディスク財団、レゴ財団、教育インターナショナル、国連児童基金(UNICEF)、経済協力開発機構(OECD)、Teach For All、セサミ・ワークショップ、JA Worldwide、Network for Teaching Entrepreneurship(NFTE)、HundrED、Education Outcomes Fund(EOF)、Alperton Community School。

 同報告書によると、新型コロナウイルス・パンデミックの影響では、約16億人の子供や若者が学校閉鎖の影響を受けたという。平均半年以上の学校教育の機会喪失が発生しており、結果的に生涯所得が3.9%減少。経済損失は最大17兆米ドル(約2,160兆円)になると推測される。

 今回の報告書では、学齢期の子ども達の協働型問題解決能力を育成することで、世界全体のGDPを約2.5兆米ドル(約317兆円)、子供一人当あたり3,000米ドル(約38万円)以上を増加可能とした。内訳は、ヨーロッパで4,890億米ドル(約62兆円)、南アジアで4,580億米ドル(約58兆円)、東アジアで3,330億米ドル(約42兆円)、ラテンアメリカで3,320億米ドル(約42兆円)、中東で2,660億米ドル(約33兆円)、北米で2,350億米ドル(約29兆円)、サブサハラ・アフリカで1,790億米ドル(約22兆円)、中央アジアで1,630億米ドル(約20兆円)。

 国別では、中国(3,560億米ドル)、米国(2,180億米ドル)、ブラジル(1,430億米ドル)、メキシコ(800億米ドル)、イタリア(720億米ドル)の5カ国が最も利益が大きい。現在の経済規模あたりの利益の観点では、サブサハラ・アフリカとラテンアメリカが最大。

 子供の教育に1米ドルを投資すれば、生涯で5ドルのリターンがあり、1年分の教育を経ると生涯所得が平均9%から15%増加するという。低所得国の方が高所得国よりもリターンは大きくなる。アジアでは、同モデルを推進する最初の国として、バングラディッシュが選ばれた。

 この実現に向け、教育4.0アライアンスでは、新たな評価の仕組み、学習テクノロジーの導入、教育人材のスキル向上の3つに投資を宣言。アクセラレータープログラムも開始する。2020年の教育分野への投資は約3,000億米ドル(約38兆円)。しかし、同規模のヘルスケア分野への投資の10分の1しかない。2025年までに全世界で4,040億米ドル(約51兆円)まで投資を増やす見込み。また、世界には教師が8,500万人いるが、今後数年間で6,900万人の教師が必要になる。

【参照ページ】Reskilling Revolution: Leaders Preparing 1 Billion People for Tomorrow’s Economy

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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