ベルギー化学大手ソルベイと仏再生プラスチック・ベンチャーCarbiosは4月28日、Carbiosの酵素ケミカルリサイクル技術を活用し、ソルベイのポリ塩化ビニリデン(PVDC)コーティング剤「Diofan」をコーティングした多層PETフィルムで、PVDCの機能を残したまま、PETのみを解重合する実証に成功したと発表した。
ソルベイは、PVDCでコーティングした多層PETフィルムを、PVDCのバリア性能を損わない効率的なリサイクルするため、概念実証(PoC)を設計。Carbionsの解重合技術は、比較的常温に近い状態で反応するため、PVDCの機能を保存するのに適しているとの仮説があった。今回の両社の実証実験の成功を受け、概念実証(PoC)が確認された。
Carbiosの技術では、PETを酵素で解重合できる。今回、Diofanでコーティングした状態でも、PETを同様に解重合することに成功。産業廃棄物だけでなく一般廃棄物のリサイクルにも適用できるという。酵素ケミカルリサイクルで精製したモノマーでは、バージンPETと同水準で、100%再生素材かつ100%再生可能な製品が製造可能。これによりサーキュラーエコノミーの新たなチェーンが確立する。
Diofanは、水蒸気と酸素の双方の透過を防ぐ高バリアポリマーで、肉、魚、チーズ等の食品包装用途で活用されている。既存製品の大半は、水分、酸素、香りのいずれかの透過しかブロックできないのに対し、Diofanは全てをブロックできる高性能タイプ。リサイクル性を向上することで、さらに市場競争力を強める。
【参照ページ】Solvay and Carbios demonstrate enzymatic depolymerization in PET/PVDC barrier film
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