中国国家発展改革委員会は5月10日、「第14次5カ年計画・バイオエコノミー発展計画」を公表した。生命科学、バイオテクノロジー、農業、バイオエネルギー、医学・健康、医療機器等の分野で、中国の劣勢を挽回し、イノベーションを加速する。
国家発展改革委員会は今回、計画の重視事項は4つと説明。まず、トップダウン型の産業促進。中国は世界で最も生物資源が豊富な国の一つであり、バイオ産業と生物システムが揃っており、バイオエコノミーの発展を加速させるための好条件が揃っていると指摘。その、体系的な概念、トップレベルの設計、将来を見据えた配置、全体的な実施を確保し、政府主導で供給側と需要側の協調的発展を進めるとした。
2つ目は、国家戦略との接続。バイオエコノミーの発展と世界的なバイオテクノロジー革命及び産業変革の波は、大きな歴史的交差点を形成していると言及。社会主義国としての新たな発展理念を構築・実行し、バイオエコノミーを今後一定期間、中国の科学技術と経済戦略の重要な要素とし、生命・健康、気候変動、資源・エネルギーの確保、食糧安全保障等の主要課題に、新たなソリューションを提供する役割を担うとした。
3つ目は、市場環境の整備。生命科学やバイオテクノロジーでは、急速な展開となるため、技術審査と製品アクセスに関する政策の刷新が必要と述べた。そのため、バイオテクノロジー発展の法則に従い、イノベーションの奨励、「包括審慎」の原則、市場アクセス、市場応用、知的財産権等の分野での改革を深化。良好なイノベーション生態を構築するとした。「包括審慎」とは、新技術に関し、規制を導入する前に、様子を見、しばらく規制をかけずに社会全体でリスクテイクする方針のことで、李克強首相が2017年頃から産業戦略として重視してきた概念。
4つ目は、開発と安全保障の両立。バイオエコノミーの発展に影響を与える可能性のある生物安全保障リスクの予防と対応にも重点を置く。
基本原則としては、イノベーション主導、サプライチェーン全体を意識したシステム思考、輸出入を含めた国内と海外のデュアルサイクルの構築、国民利益の重視、コントロール可能な範囲にリスクを抑える安全ルールの5つを掲げた。目標としては、2035年までにバイオエコノミーで中国の総合力で世界トップを目指す。
具体策では、生物医学、生物農業、バイオマス代替、バイオセキュリティの4つの重点開発分野と、イノベーション能力強化、民生用生物医学技術、近代的な種苗産業産の強化、バイオエネルギー・環境保全産業での実証、バイオテクノロジーとITの応用統合、生物資源保護・開発、バイオエコノミー先進地区建設の7大プロジェクトが盛り込まれている。
【参照ページ】关于印发《“十四五”生物经济发展规划》的通知
【参照ページ】国家发展改革委新闻发布会 介绍“十四五”生物经济发展规划有关情况
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