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【国際】マッキンゼー「グリーン化学メーカーはTSRが2〜3倍」。将来キャッシュフローが優良

 コンサルティング世界大手米マッキンゼーは4月22日、化学業界のグリーン製品への事業転換と収益に関する分析レポートを発行。グリーン製品に転換している企業の株主総利回り(TSR)は、2倍から3倍も高いことがわかった。

 同社は今回、グリーン製品へ事業転換している企業の定義として、2つの観点からアプローチ。売上の25%以上がバイオ素材、リサイクル素材、低炭素素材となっている企業と、電気自動車(EV)、エネルギー貯蔵、節水、省エネ、天然成分、サーキュラー容器・包装等、サステナビリティの追い風を受ける最終製品市場へ参入している企業の2つで定義。それぞれのTSRを分析した。

 前者に関しては、2016年から2020年までのTSRが、該当企業では12%となり、それ以外の企業の7%を大きく上回った。また、後者の定義でも、同様に該当企業は15%だったが、それ以外の企業は10%だった。いずれに関しても正の相関関係が確認されたという。

 また2つ目の分析として、前者と後者の双方定義に該当する企業を「グリーン・リーダー」として特定し、TSRを分析した所、どちらにも該当しない「グリーン・ラガード」と比べ、TSRが2倍から3倍だった。

 一方、スコープ1、2、3の二酸化炭素排出量は、現在または将来のキャッシュフローとの相関が低かった。また、松(パイン)から得られるロジン、脂肪酸、テレピン油等を副産物として利用するパインケミカルも、用途が道路建設や接着剤であり、顧客はプレミアムの価格を支払いたがらず、化学メーカーにとってはメリットは少ないとした。この結果を踏まえ同社は、スコープ3のデータが少ないため、まだTSRに及ぼす影響は確認できないが、将来的には向上させるファクターになりうると予想している。

 同社は今回、投資家は、将来キャッシュフローの観点から、当該企業を評価し、高いTSRに反映されているとみている。そこで、化学メーカーへの提言として、5つのステップを示した。

  • グリーン成長をイノベーションの機会として活用し差別化につなげる
  • 潜在的な持続可能性リスクを認識し、積極的マネジメントすることで、ROICを継続的に改善する
  • 速いペースで製品ポートフォリオをアップグレードする
  • 2050年までにスコープ1、2、3全体でカーボンニュートラル等の高い目標を設定する
  • 企業は意思決定を簡素化し、競合他社よりも早く変化に対応できるよう、俊敏な事業運営手法を身につける

【参照ページ】Chemicals and capital markets: Growing sustainably

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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