欧州委員会は4月25日、REACH規則下で有害化学物質に指定する原料素材を大幅に拡大する計画を発表した。合計約12,000の化学物質が新たに規制対象になる可能性がある。制定されると、食品容器・包装、化粧品、玩具、建築物等に大きな影響を与える。
今回発表の政策は、2019年12月に採択した「欧州グリーンディール政策」に基づくもの。2020年10月には、有害化学物質に関する新政策骨子を発表しており、2022年1月からパブリックコメントを募集。そして今回、REACH規則ロードマップとして計画にまとめ上げた。大幅に拡大した背景には、自然資本の観点が強く強化されたことがある。
【参考】【戦略】EU欧州委が定めた「欧州グリーンディール政策」の内容。〜9つの政策骨子を詳細解説〜(2019年12月12日)
【参考】【EU】欧州委、有害物質、メタン、不動産で新戦略発表。エネルギー脱炭素化でも加盟国を評価(2020年10月26日)
今回の計画では、有害な化学物質を一つ一つ評価するのではなく、初めて群として規制することを原則として掲げた。また「カクテル効果」も考慮する。ロードマップは定期的に見直され、事前に整備されている「ロングリスト」をもとに制限する化学物質を特定していく。例えば、一部の例外を除き、パーフルオロアルキル物質とポリフルオロアルキル物質(PFAS)の使用を段階的に廃止が盛り込まれている。
今回のリストは、最長で2027年に禁止するものも含まれている。また禁止時期を今後確定するとしているものも多い。欧州委員会は、有害化学物質を幅広く指定することで、ライフサイクル全体での持続可能な化学物質に転換していく投資とイノベーションが強化されるとしている。また、重要な化学物質にとってEUの供給とレジリエンスも強化できるとみている。
EUは、禁止リストの物質の海外輸出も禁止。高い基準を国際的に流布させていくことで、世界のリーダーシップ的地位を確立することを目指す。
【参照ページ】COMMISSION STAFF WORKING DOCUMENT Restrictions Roadmap under the Chemicals Strategy for Sustainability
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら