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【アメリカ】政府、分散型再エネ拡大で地域金融機関をハブ化。農村地域インフラ拡大も

 米バイデン政権は4月20日、再生可能エネルギーの拡大で、地域金融機関をハブに、分散型再生可能エネルギーを大幅に拡大する新政策を発表した。2021年11月に成立した「インフラ投資・雇用法」等を基に、高収入の雇用創出にもつなげる。

 米国政府の二酸化炭素排出量削減目標は、2030年までに2005年比で50%から52%減。2023年度予算では、関連予算の40%を社会的支援が必要な地域に予算を振り分ける「Justice40 Initiative」も盛り込む。

 【参考】【アメリカ】下院、135兆円のインフラ投資・雇用法案を可決。Build Back Betterの210兆円は別途審議 (2021年11月7日)

 今回発表の政策は3つの柱で構成。1つ目は、分散型の再生可能エネルギーの最大化。まず、地方金融機関を活用し、全国規模で体制を構築。財務省、エネルギー省(DOE)、農務省(USDA)では、州・地域への屋上太陽光発電、蓄電池、ヒートポンプ、電気自動車(EV)等の分散型エネルギー資源(DER)プロジェクトに数十億米ドルを投資する計画が策定済み。これらを、地域銀行、地域開発金融機関、信用組合、地方銀行等を通じて資金フローを回す。そのため、地域金融機関向けに、既存のファンドの仕組みと技術支援の方法について理解を深める実践コミュニティを開催する予定。

 また、DOEとローレンスバークレー国立研究所は、省エネ性能の高い建物の設計と運用を支援する「リペアモデリングツール」も強化。地方での太陽光発電や、送電網の投資対効果を最大化する手法についての知見、ケーススタディ、技術、シナリオ等をモデル化して関係者に提供していく。

 さらに、DOEは、送電網のレジリエンス強化も開始。老朽化した変圧器や電気モーターシステムを、異常気象に対し強靭で、省エネ性能の高いタイプに交換することにインセンティブを提供するプログラムを開始する。

 2つ目の柱は、社会的支援の必要な地域への再生可能エネルギーの供給。DOEと保健福祉省(HHS)は、低所得家庭向けエネルギー支援プログラム(LIHEAP)の対象家庭の太陽光発電の契約、使用、監視を管理するデジタルプラットフォームを開発。3州から5州で試験運用を開始する。

 さらに、住宅都市開発省(HUD)は、米ワシントンDCの「Solar for All」イニシアチブと協力し、HUDが支援する多世帯住宅の居住者が太陽光発電にアクセスできるよう支援する。「Solar for All」イニシアチブは、ワシントンDCの低所得者から中所得者の10万人の世帯を対象に太陽光発電システムの設置等を支援。今回、対象世帯の太陽光発電での売電収入を世帯収入算出から除外。また、居住者が安価に太陽光発電を利用できるようガイダンスを見直す。

 3つ目の柱は、主に若者を対象とした気候関連の雇用創出。米労働省(DOL)は、学校に通っておらず職に就けていない16歳から24歳の若年者を対象に、クリーンエネルギー分野で働くためのキャリア開発を支援。具体的には、高校卒業証書等の学位を取得しながら職業スキルを習得することを目指す。

 米バイデン政権は別途、4月発表した農村地域のインフラ増強政策の一環で、政府プログラムの活用促進を促す「農村パートナーズネットワーク」(RPN)も発足した。2つのフェーズに分け、活動を展開する。

【参考】【アメリカ】バイデン政権、超党派インフラ法予算で農村地域インフラ大規模増強。数千億円規模(2022年4月13日)

 まず、フェーズ1では、2022年5月末までに、25以上の農村地域にRPNスタッフを派遣。必要な政府のリソースにアクセスできるよう支援する。RPNディレクターは、州、準州、先住民族コミュニティに配置され、RPNの活動を指揮。RPNリエゾンは、特定のコミュニティネットワークに配置され、地域リーダーと協力して、経済発展のビジョンを描き、それを実現するための資金確保をアドバイスする。

 フェーズ1の対象地域は、アリゾナ州、ジョージア州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、ニューメキシコ州。活動で得た情報から課題を特定し、政府全体のタスクフォースである農村地域繁栄政策協議会の活動に反映する。
 
 フェーズ2は2022年8月末までに立ち上げる。対象地域は、ネバダ州、ノースカロライナ州、プエルトリコ自治連邦区、ウェストバージニア州、ウィスコンシン州と、アラスカ州の先住民族コミュニティ。

 最終的には全50州と準州、先住民族コミュニティでRPNを配置する予定。

【参照ページ】FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Creates Cost-Saving Clean Energy Opportunities to Combat Climate Crisis
【参照ページ】FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces the Rural Partners Network to Empower Rural Communities to Access Federal Resources

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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