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【EU】欧州委、第6次ロシア経済制裁案発表。ロシア産石油禁輸も含めたい意向

 EUのウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は5月4日、5月9日の欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)発足記念日「ヨーロッパ・デー」にあわせ、声明を発表。ロシアへの第6次経済制裁パッケージ案を発表した。同様の制裁内容は英国政府が先んじて発動しており、両者の間で調整があったことが伺える。

【参考】【イギリス】政府、ロシア経済制裁追加発動。サービス輸出禁止。インターネット企業にも影響(2022年5月4日)

 今回の制裁では、ロシア銀行最大手スベルバンクを含む銀行を国際決済システムSwiftから排除。また、ロシア国営放送局3社のコンテンツをEU域内で放送することを禁止。さらに、欧州の会計士、コンサルタント、PRサービス企業がロシア国内でサービス提供することを禁止する。
 
 加えて、今回の経済制裁をでは、ロシア産石油の禁輸にまで踏み込む議論を開始していることを公表した。EUでは5月2日に運輸・通信・エネルギー閣僚級の臨時EU理事会を開催し、その中でロシア産石油禁輸の議論が行われたが、その場では意見は一致していない。

【参考】【EU】EU理事会、ロシア産石油禁輸を議論するも見解不一致。ハンガリーとの不協和音目立つ(2022年5月3日)

 今回の発表では、ロシア産石油の禁輸は、海上輸送、パイプライン、原油、精製を問わず全てが対象。開始時期は今後6ヶ月以内に段階的に停止することを計画している。しかし、ロシア産石油の依存度の高いハンガリーが強硬に反対し、スロバキアも同調している模様。ライエン欧州委員会委員長は、今回欧州委員会としての立場を公表することで、多くの支持を呼び込みたいメディア戦略とみられる。

 一方、ウクライナ支援では、欧州委員会は5月5日、ポーランドとスウェーデンが共同開催した国際援助国会議に関連し、ウクライナの避難民を支援するため新たに2億ユーロ(約2.7億円)の支援策を発表した。EUはすでに、ウクライナ戦争で影響を受けているEU加盟国への支援としても約40億ユーロを投入。マクロ金融支援、人道支援、ウクライナ難民を受け入れている加盟国を支えている。また、4月にカナダとEUが共催したウクライナへの支援誓約イベントでは、ウクライナ内外のウクライナ人のために91億ユーロの有償・無償資金援助が集まった。

【参照ページ】Speech by President von der Leyen at the EP Plenary on the social and economic consequences for the EU of the Russian war in Ukraine – reinforcing the EU's capacity to act
【参照ページ】Stand Up For Ukraine: €9.1 billion pledged in support of internally displaced and refugees

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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