持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は4月22日、同日のアースデイにあわせ、廃水対策アクションの先進企業として、アパレル世界大手スウェーデンH&M、化学世界大手印UPL、エネルギー世界大手米シェブロンを発表した。
WBCSDは2020年9月、企業向けに「廃水ゼロ」を提唱。世界の廃水の80%は処理されずに、環境中に放出されていることから、淡水の生物多様性、気候変動、水の安全保障に悪影響を及ぼすと警鐘。企業に対し、すべての産業排水の処理、水の再利用とリサイクルの増加、低炭素な処理プロセスを促している。
また、WBCSDは2021年6月、CDP、国連人間居住計画(UN-HABITAT)とともに、「廃水ゼロ・コミットメント」を企業に促すことも発表。企業へのエンゲージメントを通じて、2030年までに廃水汚染をなくすための枠組みを提供している。今回の発表では、H&MとUPLは「廃水ゼロ・コミットメント」を行った世界初の企業となった。
【参考】【国際】WBCSD、廃水ゼロ・コミットメント・ガイダンス発行。CDP及びUN-Habitatとも連携(2021年6月8日)
WBCSDは現在、廃水汚染に対する企業の行動を支援するため、廃水影響評価ツール(WIAT)も開発している。同ツールでは、企業が自社の事業やサプライチェーン内で廃水への影響が大きい施設を特定することができる。
廃水ゼロを実現するには、データ駆動形で進める必要があり、政府や自治体の廃水施設、産業界が強固で一貫した実用的なデータに基づいた意思決定をすることが重要となる。WBCSDとシェブロン社は、2022年後半の一般公開に先立ち、WIATの開発に参画し、実証導入している。
また、「廃水ゼロ・コミットメント」とWIATは、今後数カ月で確定する自然資本分野全般での科学的根拠に基づく目標策定を掲げる国際イニシアチブ「Science Based Targets Network(SBTN)」のガイダンスの採用をサポートするために連携していく予定。
【参考】【国際】WBCSD、食品・農業セクター向け「真水評価ガイダンス」発行。インパクト評価の枠組み(2021年12月1日)
【参照ページ】Wastewater Zero Frontrunners – Leading companies are taking action on wastewater pollution
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら