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【ブラジル】ダウ、アマゾン熱帯雨林保護の第1フェーズ完了。生物多様性と地域社会構造

 化学世界大手米ダウは4月28日、ブラジル・パラー州ブラウブランコでのアマゾン熱帯雨林保護プロジェクト「Project Ybá」の生物多様性に関するマッピングを完了したと発表した。

 同社は2021年5月、非木材資源から消費財向けの生理活性物質(バイオアクティブ)を採取するため、同プロジェクトを開始。これにより、熱帯雨林を保護しながら地域資源を開発し、地域にも経済的恩恵をもたらす事業を開始した。プロジェクトには、アマゾン森林保護NGO「Peabiru Institute」と国際環境NGOの米ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)がパートナーとして参加。

 今回のマッピングでは、同社が保護するアマゾン熱帯雨林の生物多様性と、地域コミュニティの社会構造の2つに着目。生物多様性のマッピングは、ダウが保全している38,000haのアマゾン熱帯雨林で実施。Peabiru Instituteは化粧品・医薬品産業にとって商業的な可能性のある17種類の植物を特定した。このうち4種は、ブラジル化粧品大手ナチュラが関心を寄せている。同社は2021年8月にこのプロジェクトに参加したことを発表していた。

【参考】【ブラジル】ナチュラ、ダウ運営のアマゾン熱帯雨林保護プロジェクトに参画。バイオアクティブ開発支援(2021年8月8日)

 ナチュラは今後、バイオアクティブの潜在的な生産量を推定した後、同社の化粧品に使用されるアンディローバオイルを生産するためにアンディローバの種子を購入。ダウの保存林で育成し、地元の協同組合によってバイオアクティブが採取される予定。

 また、ナチュラは、バイオアクティブの技術評価に関する専門知識を提供し、商業化するための地元協同組合の設立を支援するために100万レアル(約2,600万円)の投資を行う。

 社会経済的な発展を促進する方法として、ブラウブランコの25のコミュニティが、このプロジェクトへの参加の可能性を探るソーシャルマッピングに参加した。

 その結果、女性を中心とした農民組合が選ばれ、熱帯雨林からバイオアクティブを継続的に抽出することとなった。このバイオアクティブは、すでにナチュラのサプライヤーであるパートナー協同組合に送られ、商品化される予定。

 第2フェーズでは、ナチュラの支援とPeabiru Instituteの指導のもと、同組合がバイオアクティブを直接市場に提供するために必要な技術とプロセスに関する研修を行う。これにより最大で150世帯以上の住民がこのプロジェクトの持続可能な商業の恩恵を受ける見込み。

【参照ページ】Dow completes critical milestone for Project Ybá in Brazil, a strategic sustainability project for balancing commercial growth with environmental conservation

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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